【裏話29】シーフの宿命と心の闇
坂本隆二(リュー/香坂流星)
俺はやっと異世界での生活を手に入れた。だがチュートリアルをクリアしてもMP無限にはならなかった。
夜闇、無限になる方法教えて。
『権限がありません。』
アオ参入の時よりステータス低いのはなんで?
『適正。アオはオールラウンダー。リューはシーフ。』
シーフなのに闇魔なの意味不明だけども。
『それはリューの心の闇』
心の闇などは無い!
アオが無限になったタイミングとは、勇者になった時か?職業ボーナスがいるか。俺はシーフより闇魔が良いな。ダンジョンで体張って罠解除などしたくはない。しかも罠設置を莉緒もアオも持っている。
俺しょぼくね?MP増やす方法ない訳?
『いや罠解除は役割だからやらないと。まあなあ、ならライティングや小説スキルを使って頭脳ポジ狙う?』
おお!なる程!賢者か!!転移と言えば賢者!俺にピッタリだ!
MP無限になるには、異世界で大きなイベントをクリアして何か称号を貰ってサブキャラではなくなる必要があるのだろう。その時の行動や認知度で職業化されるのであろうな。
なる程アオは確かに勇者っぽい。
俺は絶対に自分もメインキャラクターになってみせると心に誓う。
俺達は錬金術と魔法の基本、少しの戦闘を経験させてもらったりしながら数日始まりの部屋で過ごした。俺はジムで寝泊まりすると言ったのだが、みつきは女性でそういう訳にいかない。アオはリーダーとして扱いに差をつけたくはないという。あろうことか、この際四人で一緒に家で暮らそうなどと言うのだ。
「え、新婚家庭にお邪魔するとか無しでしょ。なら寝る時は地球帰るから朝来たら俺の時間戻してよ。」
そう言ったのだが、アオが譲らない。意味がわからん。俺お前らのイチャラブとか見たくないぞ。盗聴はしたけど。くそっ!
毎日自分の部屋にカメラ仕掛けて盗撮しているのにスキルが生えないのだ。
『見たいのか見たくないのかどっちだよ。』
見たいに決まってんだろ!!なんなの!なんでそこで止めたの!!
莉緒も莉緒だよ!
お前にまでビビリがうつったのかよ!
なぁーにが衝撃的な事言って良い?だよ!!
馬鹿か!!馬鹿だろ!!もっと押せよ!誘惑しろよ!
『ちょ、荒ぶりすぎでしょ。どんだけ最後まで聞きたかったの。』
全力でだよ!!心の底からだよ!!!!!
俺の小説スキル、ライティングスキル共に熟練度アップし、盗聴なのに色んな描写が満載なのだ。能力アップと共に過去の盗聴にまで加筆され始めた。この上心理描写まで出てきたらどうしよう。くっそ!出し惜しみしやがって!
しかし俺が今のテンションで加筆したら官能小説になってしまう!それはダメだ!無粋すぎる!!この物語はきっとむずキュンを楽しむものなんだ!!ぐあー!
しかもそれ読んだ後でアオにキャンピングカーの自慢されるし!乗り方指導とか頼まれるし!!
何なの?!俺二人の保護者じゃ無いんだけど?!
あー!くそ!くそー!せめて映像で見たい!めっちゃ見たい!!俺なんで小説家なの?!何で映画監督じゃないの?!
『適正無いんだから諦めて?』
いや俺が接待したのよ。俺功労者!何で見せてくせてくれない訳?!疑似体験が盗撮盗聴のの醍醐味なのよ。俺の生きがいなのよ。見たい見たい!見たいったら見たい!!うわー!もー!飴食べた顔じゃもう満足できないー!あー!あー!顔!せめて莉緒の顔だけ!顔だけ見せて欲しい!静止画プリーズ!!
『ダメに決まってるでしょ。ちゃんとイベント報酬はもらったんだから我慢して?』




