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【裏話27】リュー、ついに念願を叶える。

坂本隆二(リュー/香坂流星)


俺の家に初めて莉緒が来た。

みつきと一緒だ。

俺は絶対に疑われたくはないからアオにリアタイ盗聴を申し出る。そんな事をしなくとも恐らくアオには動画関連スキルで任意の場所や人を録画できるスキルがありそうだ。愛陽が、車庫入れイベントの時、表情や仕草まで俺にそっくりだったとそれとなしに教えてくれたのだ。抜け道とはいえギリギリではないのか。

どうせ覗かれるなら俺から申し出る。


俺はみつきが莉緒のサポートに選ばれた理由を理解した。仕事熱心で真面目な莉緒は、みつきが持ってきたクレープや弁当を、躊躇せずに食べたのである。

それを見てしまったら俺も食べない訳にいかない。俺はみつきのレシピを見てざっと糖質を計算する。意外にも弁当よりクレープの方が遥かにマシだ。


"大丈夫だよ坂本さん。今日はチートデイ!"

いやそっちか!!!


チートデイどころか、莉緒は酷い時は食事を全く摂らない日もあったのだ。彼女の言い分は、食べたくない時は体が必要としていないから食べない、である。

だが、無理して食べないと決めたら心が楽になるというのは分かるぞ。メンタルが弱っている時無理して食べるのは辛い。


莉緒の文書作成能力を見て、やはり書類を改竄されていたのではと思った。もしくは糖分が足りない状態で、処理能力が著しく落ちる程仕事をさせられていた可能性だ。


みつきはアオより俺との親密度が高い。だから莉緒に対してアオではなく俺を推す。

だが、彼女はオタクだ。そうでなくともスキルや魔法を得て手放せる人間など居ない。俺はしっかりと彼女に釘を刺す。アオに逆らえば能力を失う。異世界に行ける能力を持ち、現在魔法を作れるのはアオだけなのだ。

『現在ね。』

今それは言うな。アオが動画を通じて読心できないとは限らない。

『読心できるならもっと莉緒の気持ちに寄り添えてるよ。』

まあそれはそうか。


なんと、キッチンカーの申し込みをしたら一旦イベントが終了した!

「坂本さん忙しいでしょ?メシマズだし、キッチンカー参加しなくて良いよ?」

「いやいや待って!これ連続イベント扱いなんだって。お願いだから俺にも参加させてくれる?絶対に役に立つから!俺んちのキッチン使って良いから!」

「連続イベントってなに?」


俺はみつきにアトソーヌ防衛イベント、エーテーシークラーケンイベント、教習所講習イベントについて話した。

「へー!!何が貰えるのかな?」


ちなみに一週間ループイベントも恐らくそうだが、大したものは得られなかった。俺は愛陽との友好を取ったが、正規ルートは莉緒お持ち帰りによる異世界参入なのだろう。


しかし俺はアオとの決別は望んでいない。俺にとっては既にエアリアルにアオは無くてはならない存在。彼は俺の作った物語の主人公なのだ。

俺の様な腐った人間は、王道ファンタジーの主人公にはなり得ない。


俺はアオに頼んでキッチンカーのロゴを作ってもらい、そのロゴ入りエプロンを錬金術で作ってもらった。

俺がそれを着た姿のキッチンカーの広告をアオに作ってもらい色々な所に置いてもらった。


イベント出店の日。

俺は客引きをする。接客業などは運送業をやめてやったバイト以来だ。客に媚びる事に特に疲れも無い。たまに業務以上の事を強いる客もあるが、明らかな迷惑行為以外はあしらう事に何の苦痛も無い。俺は客に対して何の感情も持たない。


だが今日は何故か、雇われであった時とは気持ちが全く違っていた。最初はミーハーそうな女に片っ端から声をかけてクレープを買わせていた。だが途中からは、売れに売れる商品に嬉しくなってきたのだ。


企画から三人で考えた商品。仲間の頑張りが不特定多数に認められているのだ。認められると業務以上に頑張れるし、心からの笑顔が溢れる。商品について聞かれた時データではなく自分の意見を言えて、あの時食べておいて良かったとさえ思えるのだ。


「シュガバタ、発酵バター使ってるんです!安いのにめっちゃ美味いですよ!買ってって〜」


その時、好感度告知が!

秋月凱あきづきがい好感度アップ』

「ええ?」

俺は商品をみつきから受け取り、秋月凱に手渡す。その時彼の腕時計に魔力で触れ、盗聴器を仕掛けた。新たなサポートキャラは男だ。


地球パートナー交代に対する危機感と不安。


"アオ、新たなサポートキャラは男。警戒して。画像送るからアオの特殊鑑定で見て。"

"了解。愛情アップ許可するから。絶対莉緒を守って"

"分かった!帰りにキスするわ!"

"待って!やめて!"

"嘘に決まってんだろ。"

俺はアオに情報共有しつつ揶揄った。丸投げに対する腹いせだ。


"みつき、莉緒は男との距離感分からないんだ。絶対に一人で接触させるなよ?俺が地球でフラグ折れたらこいつが参入してくる。"

"了解。頑張って!"

"ああ。分かったよ。"


予定より随分と早く売り切れた。

「売り切れでーす!ありがとうございましたー!」

「「ありがとうございましたー!」」

閉店のコールをした時、頭の中に流れ込む夜闇の声。


『報酬 スキル転移 莉緒 みつき 絆大幅アップ』

一瞬頭が真っ白になる。

は?!え?!何これ。見た事ある場所に転移?


『おめでとう!ようやく好き勝手できる様になるよ!』

あ、いや、待て!

まだだ!!まだ気を抜くな!

我に返ってさっき流れてきた莉緒の読心を思い出す。すぐ鑑定でキッチンカーの新機能を確認!

[祠転移 はじまりの部屋 アトソーヌ エーテーシー 湖の祠 東のダンジョン]

ふふ!そうか!一週間ループから俺達の異世界参入は決定事項だったんだ!えらく長い連続イベントだった!!


俺は、当たりのルートを引いたのだ!!

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