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第89話 三等分の利益と、泣く女の自己嫌悪

「凄いよりお。チャンネル登録者数が500人を超えた。やっぱりリューは凄い!」


結局、今日は時間を進める事になった。

このまま毎日更新を続けて、進捗に応じて魔法を三つ公開して、チャンネル登録者数1000人超えるか、300万回視聴を目指すとか。


「収益化したらリューに原稿料いくら支払うの?」


キッチンカーも手伝ってくれるらしいし、そっちの分は売り上げの何パーにするかもある。ただ、リューの負担が半端ない。


「リューは仲間だから要らないって言うけど。そういう訳にはいかないよな。完全にリューのネームバリューに乗っかってるから。書籍もアニメもしないから原稿料だけじゃ不公平になる。利益からきちんと分配しようと思う。」

「そうだよね。そうしよう。」


とりあえず最初の1年間は三等分でいく話になった。キッチンカーは、私が運転をできる様になれば、リューは手伝わなくて良くなる。異世界で沢山乗ろう。


「そうだりお、教習所早朝貸しコース予約したからリューと練習行っておいでよ。リュー昔大きいの乗った事あるって。彼の方が適任だ。」


早めに帰った今は早朝の5時。この時間に連絡つけるとは、さては知り合いに直電して強引に予約を取り付けたな?!坂本さんを叩き起こすあたり容赦無い。


「ええ?まさか泣いちゃったの話したの?」

「だってさ、僕車の事になるとついね。ほんとにごめんね。」

「ええ。泣く女とか最悪なんですけど。それ人に言うとか。」

「最悪じゃないよ。僕が怒鳴ったんだ。怖かったよね。ごめん。」

「気にしなくて良いのに。分かったよ。頑張る。」


ほんとに泣く女は最悪だ。泣かれたら男はどうしようもない。私はそんな女だけにはなりたくなかった。自分の弱さに苛立ち、猛烈に嫌悪する。 二度と、自分の弱さを武器にするような、最低な女にはならない。


坂本さんはイライラしても顔には出さないだろうけど、こいつは泣く女だとか思われたら、今までの様に必要な事でハッキリ言ってくれなくなるかも。忖度無し彼の言葉は割と貴重なのだ。


『リューが必要と思った時にはきちんと伝えてくれますよ。あの人は優先順位が分かっていますからね。』

そっか。なら良いけど。


貸しコースの予約は佐々木さんがツテで捩じ込んだのかも知れない。9時半まで貸切らしい。

少し狭いけど監視カメラの無い場所にキッチンカーを出して、坂本さんは運転席に乗り込む。


「《《関屋さん》》車出すよ?」

「えっ。うん。」

突然の関屋さん呼びに困惑する。なんでだろ。泣く女だから距離置く感じ?


『車を盗聴盗撮対策ですね。莉緒も気を付けて。』

ええ?そこまでする?

『しますね彼は。車は密室ですから。もしくは、リューが疑われるのを避け自ら申し出た可能性もあります。』

そっか。私の事は嫌いだけど異世界は大事だもんね。


「考え事?」


「坂本さんと運転イベントをクリアしてフラグ立ったら困るんだけど。」

「俺も困る。俺お前の弱ってるとこつけ込みたくはねーんだわ。でもお前分かりづらいぞ?あいつ後で気付いたってさ。察してちゃんとか超面倒臭えよ。俺そういうの無理なタイプ。」


何も望んでないのにあっちから無理だと言われたんですけど。何それ。失礼じゃない?


「え、何それ。何の事?」

「うわ、面倒臭え。」


いや、面倒臭いのは佐々木さんだから。

私はストレートにサイン出したのに永遠を使って拒否したんだし。


ほんと失敗した。二度と泣かない。私は窓の外に顔を向けた。坂本さんは気を遣って話しかけてくれるけどそういうのもう良いから。


坂本さんはウインカーを出し、慣れた手つきでカーブを曲がる。

「俺、痴話喧嘩に巻き込まれてアオと決別したくない。もう仕事上でも必要な存在になってる。」


私は極力明るい声で言った。


「よし、じゃあガンガンフラグ折って行こう。」

「うし。利害一致。やっぱり関屋さん話早くて助かるわ。よし受付行こう。」

『リュー好感度アップ』


今日は坂本さんの好感度告知無しで。

『意に沿わぬ分岐を避ける為、それ以外の告知は全部ナビお任せにする事を提案します。』

分かった。任せる。


私達は受付を済ませて車に戻る。

ペーパードライバー講習すれば良かったと言うと、イベント自体が潰えるなら坂本さんとクリアした方がマシだと佐々木さんが言ったらしい。連続イベントは高報酬らしいのだ。知らなかった。だから彼はあんなにムキになったのだ。


どこまでやったかを確認して、そこまでをメインでやって、軽くバックの練習をしてから車庫入れと縦列は佐々木さんに習えという。私に足りないのは慣れだそうだ。


「前後確認よし、座席よし、ミラーよし、シートベルトよし、おっけー。行こう関屋さん。」

「教習所か。」

「教習所だよ。」

笑いながら発進する。

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