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第88話 甘いレシピの拒絶

私が追ってキッチンに転移するとホットプレートと焼肉のタレを出しながら佐々木さんが笑顔で言う。

「焼肉でもする?」

ええ、焼肉?今日?

「なら、良いお肉を塩のみで食べたい。他には何も要らない。たれもいらない。」


『イベント 鉄板焼きを作ろう 進行中』

永遠の声だ。イベントなら仕方ない。


じゃあハラミとかじゃなくて良いの出すぞ。

「イチボ、ザブトン、シャトーブリアン。」

「ええ。希少部位…ちょ、待って。鉄板焼きだからホットプレートやめて鉄板にしよ。」

鉄板持ち歩いてんのかと思ったら、おもむろに創造魔法で業務用鉄板焼きグリルを作った。


肉は塊で出したけど、切り方が分からないので佐々木さんに渡した。

私は指定された野菜、玉ねぎ、ブロッコリー、アスパラ、かぶ、さつまいも、きのこ類、そしてニンニクを洗った。


調理台に洗った食材を置きながらほんの少しだけ期待を込めて私は言った。

「私サツマイモとかぶとニンニク要らないよ。」

だというのに彼は、真剣な顔で肉を切りながらおざなりに言う。

「ええ。炭水化物も全部食べなよ。」


「じゃあ炭水化物は食べるよ。でもニンニクは臭くなるから…今日はいらない。」

「イベントだし全部食べな。りおの分も焼くからね。」

そっか。彼は食にこだわりがあるんだった。

私はノンアルビール2本を出す。

それから、牛乳を出した。


「牛乳?料理と合わないよ?」

「必要でしょ?臭かったらやだし。」

「ふうん。そう?」

佐々木さんはそれから私に目も合わせずせっせと野菜を切る。

「アオも、牛乳いる?」

佐々木さんは大袈裟に笑ってから言った。

「僕は要らない。必要ないよ。」


「食後のアイス、バニラかフローズンヨーグルトどっちが良い?」

しつこいって分かってる。

「こっちでレモンシャーベット出すよ。」

だけど。

「アトソーヌのミルクで作った美味しいやつだよ?」


佐々木さんはにっこりしてから、私の目を見て一語一語ゆっくり言った。

「僕は、今日は、要らない。分かった?」

「うん、まあ分かったけど。」

わかったけど…。


アオは鉄板を熱し、ニンニクを置いてオイルをかけた。

絶え間なく2枚のヘラで混ぜる。

しばらくするとふわりと食欲をそそる香りが立つ。アオが器用に選り分けながらペーパーの上に置いて行き、そのオイルで野菜を焼き始めた。

「あ、そうだ。」

アオは手元から目を離さず軽い口調で言った。


「僕は君が天然だと知ってるけど、そういうのリューには言わないでね。彼きっと勘違いするから。」

「別に言わないけど。」


とにかく、坂本さんの名前まで出して絶対拒否の姿勢だというのは理解した。一緒に住んでても今までも一切無かったし、今日の事で明確に今後も無しって今決まった感じなんだ。


彼も、泣く様な女に将来的な不安を感じたんだ。怒鳴る男と泣く女の相性は最悪だ。彼は、私を道具として扱うことは許せても、情緒で振り回す面倒な女だと、恋愛ごっこをするのはまっぴらだと思ったんだ。


きっと、地球の復縁イベントも無くなった。

切り替えなくっちゃ。


その後お腹いっぱい食べた!!!

焼くのうますぎた!!!

シャトーブリアン最高か。

カロリー考えるのも怖いw


私は笑顔で言う。

「天才。めっちゃ美味かった。ありがとう!」

「良かった。」

佐々木さんは部屋と自分にクリーンする。

「ああ、クリーンで良かったんじゃん。」

私はちょっとだけホッとしたけど…


「じゃ、帰ろ。僕一度リューからメモリ受け取ってくるから。」

「うん。そだね。帰ろっか。」


私達はお互いに笑顔を作った。

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