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【裏話22】居酒屋「のじまんち」とマウント合戦

のじまんち 坂本隆二(リュー/香坂流星)

「こんばんはー。ここに柏木さんが働いてるって金本さんに聞いて来たの。」

俺達が柏木さんとカウンターで話していると花さんがやってきた。振り返って無言で会釈だけする。

花さんがお節介キャラで莉緒の隣に座る。アオは渋々その隣へ座った。


「先日の花見はさすがに空気悪かったですよ。坂本さんの今彼マウントが酷くて。独占欲がヤバいと噂になってますよ?」

柏木さんが突然の毒舌だ。だがアオには三人でここに通った事をもう話してあるから問題は無い。


「いや、あなたそんなキャラでした?」

花さんは困惑する。彼女の倫理観で時間無限を受け入れられないと思ったから彼女だけには秘匿していたのだ。花さんは俺達の分析では、極めて常識的で情に脆く正義感が強すぎる。全く探偵には向かないと思うのだが。


「佐々木君、ポテサラでも頼む?」

「いいね。じゃあポテサラお願いします。僕普段は飲まないですけどね、父も母も酒豪なんで強いです。」


アオは屈託のない笑顔をマスターに向けた。柏木みつきに向けない所は徹底している。地球でのみつきフラグを立てたくないのだ。


"りお、柏木さん酒豪が好きみたいで飲めば好感度上がるよ?!君も飲みなよ!"

"はあ?飲むだけで好感度上がるとかチョロくない?"


は?!ちょ!おい!莉緒を焚き付けるな!こいつ酔うとスキンシップやばいんだぞ?!だがここでイチャイチャしまくった事は内緒なので俺は何も言えない。全部の日程、花さん同伴だった事になっているのだ。


「ウイスキー30ccで70kcalくらい?4杯までならまあ良いか。」

これが莉緒の必殺技1。変な女を装って適度に自分の魅力を下げるスタイル。この子は自分が妬まれやすく男に狙われやすいのをおそらく理解している。

『多分違うよ?めっちゃ太りたくないだけ。』


「関屋さん、どんだけ太りたくないんですか!」

順調に柏木みつきの好感度は上がっている様だ。彼女の存在は俺らとの恋愛ではなく、恐らく莉緒の親友ポジションだ。莉緒の心をほぐすのに同性の友人は必要だ。


「じゃあ枝豆とササミの湯引きをください。僕らサイクリストはタンパク質も摂らないとね。」


僕は彼女の価値観を肯定する。僕だって太りたくない。ポテサラは好きだが、酒か炭水化物はどちらかにすると決めている。


「関屋さんこんなとこで何場違いな事言ってるの?僕別れて正解だよ。まさか坂本さんも同類とは思わなかったけどね。」

アオが鼻で笑って莉緒を煽る。


すると事もあろうに莉緒はハイボールを一気に飲み干した。柏木みつきの目が輝く。

「柏木さん!おかわりで!」


ちょ!おい、煽るな。莉緒の負けず嫌いが発動したじゃねーか!お、おま、勝ち誇ったドヤ顔やめろ!


くそ、アオの演技力は結構高い。これはスキルを持っていてもおかしくないな。だが彼は煽り耐性が低い。煽られると素になるのだ。


俺は莉緒の左手に自分の右手を重ねて昨日の異世界でのデータを回収しておく。そして彼女の耳に顔を寄せて言った。

「ほら、莉緒だめだろ?そんな飲み方しちゃ。お酒はゆっくり楽しまないと。」


やばい何この顔、真っ赤!めちゃくちゃ可愛いんですけど!いかんいかん。ちょ、夜闇、俺が調子乗り始めたら注意して。

『既に悪い癖出てる。ナチュラルにたらし込むのやめて。昼の誠実さどこいった。リューも酒入るとおかしくなるの莉緒の事言えないから!』

結構きつめに嗜められてしまった。


「坂本さん突然の呼び捨てマウントww」

おお!柏木みつきが全力でムードぶち壊してくる。こいつ俺のストッパーでもあるのか。


「はーい。ごめんなさい隆君。」

「関屋さんの当てつけがやばすぎるwww」

ぐはっ!!莉緒が一瞬苦々しい顔をしたアオを横目で見た。アオの嫉妬に嬉しそうすぎて引くわ。


これが莉緒の必殺技2だ。俺を道具にすることで眼中にないぞと遠回しに主張する。なる程勉強になる。俺は再び攻撃を放つ。


「フッwなんなのw元彼に当てつけとかお前可愛すぎだろwなに?ヤキモチ妬かせたいの?」

『リュー、ここで好感度上がるとか実はドMなの?』

どうやら流れ弾を食らったらしい柏木みつきがむせている。


大丈夫かこの子?


やばいwwまた莉緒とハモったwwくー!たまんないんだけど!!待て待て、落ち着け俺。


「チッ」


おっと、今の舌打ち。アオは読心に近いスキルを持ってる?

『多分二人がかりで揶揄われてアオが苛立ってる。』


アオが花さんの地雷を踏み抜く。

話題変換にアオを煽ってナッツの差し入れをしたらなんと刺身五種盛りで返ってきた。

どうせ割り勘になるから悪ノリやめろww


花さんは額に手をやり大袈裟に首を振った。

そうだ、こいつのこの癖のせいで地球のフラグが折れたんだった。忠告してやらないと。俺はお前を更生させてやるぞ!

『リュー飲み会楽しすぎてテンションおかしくなってるし。プロのお姉さんとしか飲む機会無いもんね?』

うるさいわww


「はぁ、莉緒の忠告無意味だったね。彼全く成長してない。」

「彼はお金で上に立とうとするの。限度ってものを知らないから私返済の為に4ヶ月タダ働きだよ。」

やっと莉緒がアオに本音を言う。貢がれて体裁が悪いとか、貢ぐのは非常識だとか、お金の関係は良くないとかじゃなくて、莉緒自身が金で圧をかけられるのが嫌なんだ。


莉緒は、常識の範囲内で信頼関係ができてからなら貢がれても拒まない。俺のおごりは一切拒否しないからな。アオはその違いを理解しようとしないからたかが1800円のクレープで別れる事になったんだとループの時花さんは俺に教えてくれた。


だがアオは弁明した。元はと言えば莉緒が怪我の謝罪金を受け取らなかったからだと。


「デート商法で訴えられたら困るからお金返させるなって父親に今日怒られた。ほんとにやめて。給料受け取って。」

莉緒のやり方も割と極端だぞと他人の言葉を借りて伝えるアオ。自分の言葉では伝わらないからだ。


それを花さんは止めた。花さんは柏木みつきが噂を流していると踏んでいる。


「え?!私じゃないですよ!何で私疑われてるの?!」


俺は昨日聞いて柏木みつきの本心を知っているが、花さんの誤解を解く事は必要だろう。俺は柏木みつきに言った。

「だって花見の設営の時莉緒の事睨んでたでしょ?君が佐々木君を盗聴してるストーカーだって俺思ってるよ?莉緒もう彼と関係ないんだから噂流すのやめてくれる?」

「ええ?!盗聴とか私してない!噂も濡れ衣だよ!」

「僕もそれでハナさんを誘って偵察に来た。まさかそっちも来てるとは思わなかったよ。」


柏木みつきは、誤解を解くために今噂のターゲットが花さんにうつっていて、のじまんちでも噂を聞けると取りいってきた。連絡先を交換してミッションコンプリート。


『報酬 イベント マウント合戦でストレス発散 脳内タブレット基本機能 交渉アナリスト二級 莉緒 リュー 花 絆アップ 莉緒愛情アップ』


うわー。愛情アップやっちまったー。まあそれは明日考えるか。

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