第83話 鑑定スキルの暴露と、上に立つ者の不器用
柏木さんは私の事、自治会頑張ってますアピールで無理して倒れられると面倒くさいなと思っていたと話してくれた。ハナさんが噂を流して別れさせ、その上で二人に取り入ってるという酷い噂が立ってる事を教えてくれた。次のターゲットが花さんに移ったのだ。
「ここでも噂は聞けるから、新しい情報入ったら関屋さんか横井さんに言うね。私盗聴とかしてないから信じてよ!」
そう言って彼女は私達に電話番号を教えてくれた。
『報酬 イベント飲み会 メンバー絆アップ キッチンカー特別仕様』
キッチンカーとかwww
翌朝、私達が手を繋いで公園スペースに来ると箒を持った佐々木さんと花さんがベンチに座る柏木さんと話していた。
佐々木さんは繋いだ手を横目で見て眉をぴくりと動かした。私が手を離すと、坂本さんが手首を掴んだ。私達はもう一つのベンチに座る。
"先手取られたね。"
"昨日二人を誘った時点で仕方ないよ。それに柏木さんファンタジー好きでしょ?魔法の魅力には抗えない。"
"俺の一週間の成果なんだけどね。"
佐々木さんがこちらを向いてニヤリとした。
"ご苦労様。柏木さん仲間になったよ。"
ちょ!!バレてた!!!
"昨日の茶番が良かった様で何より。彼女コントが好きみたいだよね。"
坂本さんは目が笑ってない薄ら笑いで誤魔化す。動揺を隠す顔だ。
"君たち柏木さんと仲良すぎなんだよ。毎日僕の目を盗んでデートとかないわあ。酷いなあ。すっかり騙されたよ。"
"デートじゃないし!花さんはお咎め無しなの?"
"ちょ。関屋さん。"
"語るに落ちたね。花たんは連れて行かれてついでに好感度上げられただけ。でも君らはインベントリで情報やり取りして結託してるね。"
うわあ。やっちまった。
"まあ今回はノッテの事もあるし、花たん同伴だったのが分かったから許してあげる。で、昨日の報酬なんだった?リュー。花たんすんごい報酬だったよ?僕それ手に入れるの八万円も払ったのになあ。花たん結局割り勘だったから9000円だった。"
なんと!花さんはインベントリだったらしい!
"…俺一万八千円だ。マジですまんかった。"
すまんかった。私が昨日坂本さんに奢ってもらったから彼は倍額払う事に。
"りお、リューはスキルを秘匿している。あんまり信じ過ぎない様に。"
"いや、俺ばっか悪者にすんな。アオだって鑑定の詳細秘匿してるだろうが、ちなみに関屋さん、彼の鑑定は特別仕様で…"
"体重見られるやつだよね?"
"リュー、後でこれからの事を話そう。管理人室に戻ったら念話する。今日は地球に居て普通に時間を進めるよ。無限は夜か土日にやる。"
"了解。"
ちょっと!佐々木さんが急に引き下がったの気になるんですけど!!
『プッww…失礼。能力の秘匿を咎めるなんて、アオは上に立つのがとても下手です。永遠の力不足でしょうか。これは私も付き合い方を考えなくてはいけません。』
『なっ!アオが素直に言う事を聞く様なら何も苦労は要らないでござるよ!』
"悪かったよ。ちょっと色々考えてみるから。"
言い捨てて佐々木さんは柏木さんに手を振りマンションに戻って行った。




