第十一話 勝利後、宇宙船内を散策
私は会議室での宇宙人たちとの短い闘いに勝利し、部屋を出た。
途端に視界が明るくなる。
廊下は灰色、黒色といった味気ないものだが、電灯の光は明るかった。
運動靴と靴下を片手に裸足でぺたぺたと歩く。
次に戦闘になったときのために裸足のままの方がいいだろう。
さて、ここからどうしようか。
状況を整理しよう。
この宇宙船に乗る宇宙人たちは地球侵略をしようとしていた。
そのカギとなる種子を空から撒いたのだが、それを私がキャッチして食べてしまった。
私がそれを消化するまでに回収すれば、その高価な一点ものの種子の資源の一部が再利用できるとかなんとか。
そのために私に手術をしようとしていたわけだ。
彼らは手術をしたあと、私を本国に連れて帰るとか何とか言っていた。
つまり今この宇宙船は彼らが住む惑星に向かっているということだ。
現在この宇宙船はどこにあるのだろうか。
学校の教室からこの宇宙船にほとんどワープする形で連れ去られてからは、外の景色を一切見ていない。
私がいろいろと考えていると、
とつぜん、けたたましい警報音が鳴った。
警報音に乗って何か言葉のような音声が羅列されていくが、まったく聞き取れない。
だが、おそらく私が追われることになるのだろう。
そう思いながら廊下の窓を恐る恐る曲がると、制服を着た兵隊のような宇宙人が山ほどいた。
数は15人、20人ほど。
ぎっしり廊下に詰まっている。
大勢の黒い無機質な瞳が私の方を向いた。
さて、どうしよう。