表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盲腸から始まる異世界生活①  作者: ごぴと
第一章:異世界への目覚め
8/10

火の魔法

昼下がりの静けさの中、サトゥはケンさんの前で集中していた。

「魔法の詠唱は長く複雑だが、それには意味がある。心と体、そして魔力を完全に一致させるためだ。」


サトゥは深く頷き、深呼吸をした後、詠唱を始めた。

今までの練習のすべてを思い出して、指先に魔力を集中させ、指から微かな震動が感じられるようになった。

「偉大なる火の精霊よ、我が内なる力と共鳴せよ。我が心の奥底から湧き上がる情熱の炎を、この世界に示せ。フレイム・アルセス・エンカント・アストラル・エンシエンド、我が意志と共に、紅き炎をこの手に宿せ!」


詠唱が完了すると、サトゥの手のひらから小さな火花が現れ、やがて炎となった。

「すごい…できた!」

何度も火起こしに挑戦しても見ることが叶わなかった火が、こうして別の形で現れたのだ。

魔法の練習は大変だったが、ついに望んでいた火をこの手で見ることができたのだ。


しかし、次の瞬間、体に激しい眩暈が襲った。

地面に膝をつき、体を支えきれなくなった。


「驚くな、サトゥ。お前は魔力操作において才能を持っているが、魔力の絶対量が極めて少ない。これがお前の限界だ。」

ケンさんが静かに言った。


サトゥは苦しそうに顔を歪めた。

「こんなにすぐ限界が来るとは…」


「魔法は力ではなく、バランスだ。お前の魔力はこれから伸ばしていける。今は焦らず、体を休めるんだ。」

ケンさんの言葉に安心を感じながら、サトゥはゆっくりと目を閉じた。


疲労と感動が入り混じった感覚に包まれながら、彼は気絶するように深い眠りに落ちていった。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ