呪言
私は今からあなたに呪いをかけます。
あなたはこれを読んでいるかもしれないし、読んでいないかもしれませんね。
けれどいいのです。私がそうしたいのですから。
私がそう仕向けるのですから。
あなたが幸せを感じる時、いつだって私のことを思い出すでしょう。
あなたが笑顔でいる時、いつだって私のことを思い出すでしょう。
あなたが落ち込んでいる時、きっと私のことを思い出すでしょう。
あなたが陰鬱な気持ちでいる時、私のことを思い出してくださいね。
忘れないでください。これは呪いです。
ねぇ、ほら。私のこと忘れられなくなった。
私はいつだってあなたのことを恨んでいるし呪っています。
大嫌い。大嫌いよ。
きっとあなたは、もうこの恨み言だらけの手紙を読むことをやめてしまったことでしょう。
だから、もう少しだけ続けますね。
嫌いで嫌いで、とてもとても大好きよ。
恨めしくて恨めしくて、生霊だって飛ばしてしまえそう。
けど、それはあなたに届けずに、私だけのものにしておくわ。
私のことなんて忘れて、幸せになってね。
これは幸せになる呪いなんだから。