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創世の炎  作者: 凌の部屋
第2章 怒りと契約とターゲット
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第7話「ターゲット」

水木 葵の家を出た、焔 楓は自分の家へと向かっていた。


「見つけたぞ焔 楓!!」


電柱の上で、立ちながら静かにそう言ったのは堕天使の一人である。楓は、気づかないまま自宅へと戻るため急ぐ。


「葵先輩の家から近いけど、少しは離れてるかな?もう少しだし急ごうかな。急ぐ必要ないんだけどね♪」


楓は早歩きしながらそう呟く。


「お前が焔 楓だな??」


楓の前に堕天使が立ち塞がる。


「この感じ堕天使!?」


楓は、突然の堕天使の登場により驚く。


「その表情だとお前が焔 楓で間違えないみたいだな!俺と一緒に来てもらうぞ!」


堕天使はそう口にする。


「堕天使が私に何の用なわけ??それに、堕天使は、アザゼルだけじゃないの!?」


「俺の名は、ベリアル。アザゼルかあいつは、下っ端みたいな奴だ。そしてあるお方が焔 楓、お前に用があるみたいなのだ。だから連れてこいと言われたのだ」


楓の問いかけに、堕天使は即座に反応し答える。


「誰が堕天使に着いて行くもんですか。それに、あるお方って誰よ?」(上司みたいな感じかな?)」


楓は考えつつ、再び問いかける


「答えるわけないだろう!!着いて来る気がないならこの俺、ベリアルが少し痛め付けてやる!」


堕天使ベリアルは、楓の再びの問いかけを拒否し戦闘態勢になる。


「フェニックス、力を貸して!!」


[了解だ、いつでも行けるぞ!]


楓の問いかけに、フェニックスは即座に返事をした。


「守護霊・フェニックス・・・」


「させるか、水の言霊!」


楓がフェニックスを召喚する直前、ベリアルが技を発動する。


「ッ!?」


(ドボォーーン)


「ぐっ、力が……入らな……い」


(ガクッ)


楓はそのまま膝をつき力が入らなくなってしまう。


[まさか、水の攻撃をしてくるとは思っていなかった……、不覚]


「フハハッ、やはり水は苦手か!!!」


堕天使の一人ベリアルは、不意にも笑う


「水なんかくらいで負けるなんて……」


[すまない、まだ楓と契約して日が短いからまだ全ての力を出せないのだ]


楓が小声で愚痴を言うのを聞いてフェニックスがそう答える。そうなのだフェニックスの言うとおりまだ楓と契約してから日が短い為フェニックス自身、力を解放出来ず楓に力を送る事が出来ないのだ。


「さて、連れていくか!」


(ガシッ)


「くっ、離せ!!」


「無駄な抵抗は、やめとけ」


楓は出来る限りの力で抵抗して見せるも力が全く入らず、堕天使に担がれてしまう。


「行くぞ!」


(ヒューーン)


そして全く抵抗出来ないまま楓は、堕天使ベリアルに担がれて、その場を後にするのだった。



少し時間は遡り、楓が葵の家を出た数分後の水木 葵宅。



「さて、楓さんが来る前に少し部屋の掃除しちゃいますか!」


葵は、その場の片付けを始めた。


「楓さん、一人で本当に大丈夫かしら?やっぱり一緒に行けばよかったかな…」


片付けながらも、楓の事をかなり心配している葵。


「でも、大丈夫よね?フェニックスが居るんだし……ね……?」


そう葵が言い終わる時だった、それを感じたのは--


「ッ!?(この感じ堕天使!?楓さんが危ない!!!)」


葵は家の鍵を閉めずに、急いでその違和感を感じる場所へと走って向かう。


「くっ、(間に合って‼︎)」


その時--


「えっ、嘘!?(違和感が消えた……?)」


そう、葵がその場に向かっている最中、突如違和感がバッサリと消えてしまったのだ!そして葵は、走るのをやめてその場に止まってしまう。その場で立ち止まった直後から嫌な冷や汗、不安や焦りが葵の頭の中に込み上げて来る。


「まだ近くにいるかも。(それにもしかしたら、楓さんが堕天使を撃退したかもしれない)」


葵は、不安や焦りが頭の中に過ぎる中でも楓の事を信じていた。そして、少しの可能性でもその可能性に賭けていた。そして消えてしまったが、違和感があったであろう場所に着いた。


「誰もいない……(遅かったの……?それとも……。んっ??)」


葵が地面に見ると、ある場所に水溜りができでいた。


「雨も降ってないのに、何で??」


そう、今日は見事な雲一つない快晴であるこの場に水溜りがあるのは余りにも不自然だ。


「・・・(水を誰かが撒いた…?いやだとしたら同じ場所に何度も撒くわけないわよね?だとしたら考えられるのは、まさか・・・)」


葵の頭に、ある予想が思い浮かんでしまう。その直後葵の表情が暗くなっていき、再び冷や汗、不安や焦りが出て来る。もしこの可能性が当たってるとしたら楓が今居る場所は--


「堕天使の拠点……。くっ、(どうしたらいいの……?)」


その考えを言葉にしても葵は、その場から一歩も動かない。なぜなら、葵はまだ堕天使の拠点なんて突き止めてはいないからだ。その場で動けず時間だけが過ぎて行く。その時間が過ぎると共に加速して来る不安や焦りは、葵の考えを確実な可能性へと変えて行くのだった。


「一回家へ帰りましょう……。(楓さん…)」


葵は、一度空を見上げ楓の事を思い浮かべる。その直後その場を後にするのであった。

読んでくれてありがとう!

次回もありましたら読んでくれると嬉しいです♪

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