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プロローグ
僕の初恋は姉だった。そして僕が長い一生の中で愛することができるのは、姉だけだろう。物心ついたときには彼女が好きで、「それは恋じゃないだろう」と言うやつもいるかもしれないが、間違いなくこれは恋なのだ。所謂キスしたいとかSEXしたいとかそういう願望があるのだからこれは紛れもなく、恋なのだ。でも僕は分かっている。理解している。彼女が実の姉であることは間違いないということを。どこかの漫画みたいに、実は血が繋がっていない、なんて夢のようなことはないのだ。なかったのだ。一縷の望みをかけて調べてもみたが、僕らは本当の姉弟で、彼女は血の繋がった僕の姉だったのだ。だからもちろん、彼女は僕を恋愛対象として見れはしないだろう。彼女からすれば僕は弟でしかない。かわいい弟にしかなれない。だからこれは禁断の恋ではなく、僕の一方的な迷惑な恋心でしかないのだ。彼女がどんな彼女であろうと、迷惑な恋心でしかないのだ。
それでも僕は、彼女を、高井桜を愛している。