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⑷『リアリズムの繁栄』
⑷『リアリズムの繁栄』
㈠
意識的に、範疇から外せば、リアリズムも、遠い夢の様に瞬いている。刹那刹那の、連続を、映写機が映し出す様に、我々は、どこまで行けば、リアリズムを体感できるのであろうか。ただ、それは、人生上、人それぞれである、場合によっては、リアリズムを感得したくない、という事態まで起きそうだ。
㈡
この、人間を悩ませる、リアリズムは、真に厄介なもので、そのリアリズムを見たいが為に、生きている人もいれば、夢の中で、幾度となく、リアリズムを体感し、毎日を過ごしている人もいるのであって、それは、千差万別なのである。
㈢
処が、一回性の問題で、リアリズムが、消失する病魔だって、在りそうな体裁で、リアリズムは、我々の眼中から遠く離れた、云わば、世界の果てに、或いは、死後の世界に、在る人だっているだろう。リアリズムは、今日も、我々を、小説執筆へと運ぶのであって、小説家の極意は、まさに、リアリズムであろう。