ただ寝てただけなのに!!!
拙い作者の拙い作品ですがお楽しみいただければと思います。
のんびりと更新していくつもりなのでよろしければお付き合いください。
いつものように授業中気持ちよく授業中に寝ていた。ただそれだけだったのに…。
話は私が寝る直前に遡る。
いつものように授業で寝ようと私が腕を組み、そこに頭を置き自分の好きな定位置でそろりそろりと襲いかかる睡魔に抵抗せずに意識を落とした。
しかし何かがおかしい。
いつもなら一度寝てしまったらチャイムがなるまでずっと眠り続けているはずなのに何やらどこまでも暗闇が続く謎の空間にいるのだ。
いやいやおかしい。
なんで今日に限ってこんなに気味の悪い夢を見る??
だってただ寝てただけだよ??
悪いことはしてないよ??
そんな事を考えながら一つ良い方法を思いついたのだ。
いやいや我ながら賢い考えだ、と心の中で自分を褒めつつ試すことにした。
そう、私が思いついたこと…それは…。
ここが夢だと分かっているならもう一度眠れば良いじゃない!
何もない空間は幸い自由に動けるようだ。
それを確認した私は一番落ち着ける女子とは思えない大股開きの格好でスヤァっと効果音がつきそうな勢いで眠り始める。
何か冷たい。
タプタプと音がする。
なんだろうこれは…。
そう例えるなら…。
ゆっくりと体を起こし予測した物を確認するためにそっと目を開ける。
そこには自分が考えていた物体と光景とは斜め上をぶっちぎるものだった。
何この妙にリアルで気持ち悪いゲームでしか見たことないスライムは!!
その前にここどこ!!?
学校は!?!
なんで寝てただけなのに外に放り出されてんの!?!?
不法投棄は聞いたことあるけど人間投棄なんて聞いたことないよ!??
下手すりゃ犯罪だぞ!!
全てが予測出来ないもので脳がツッコミを入れられる全てに対して疑問を投げかけていた。
しばらくすると解決できる疑問から処理していこうと落ち着きが戻る。
我ながら図太いな私、と思いながら目の前のスライムをじっくりと観察する。
よく見るとゲームなどで見るスライムとは少し違いバターのようにでろんと溶けており色は紫色というなんとも触れば毒を貰うような見た目をしていた。
しかし目がついてる分可愛いなと考え好奇心で触ることにした。
なんか…冷たいけど妙に触り心地がいい…。
これは…クセになってしまう…。
しばらく触っていると変な音と声が聞こえ目の前に文字が表示される。
〈毒耐性が2に上がりました〉
〈職業モンスターテイマーを取得しました〉
なんだろうこれは…。
なんかスライム嬉しそうに私の周り駆け出したし。
てかやっぱりこいつ毒あったのか。
よく生きてたな私。
ってかスキルって?職業って??
あっ…もしかしてここって異世界ってやつ…?
うっそぉ…。
あまりに突然だったのでここもしかしてまだ夢??と頬をつねって確認する。
あっこれ夢じゃないね、と笑顔でどうしようと思考を巡らす。
考えても考えてもどうしようも出来ずにいるとぐぅ〜とお腹が鳴っていることに気づく。
こんな時でも腹が減るなんてやっぱり凄いな私!と自分の能天気さを褒める。
それにしても食べ物なんて何があるんだろう。
異世界の食べ物で食あたりして昇天しました〜、なんて洒落にならない。
だが食べないわけにも行かないのでさっき捕まえた(?)であろうスライムに私でも食べられるものない?とダメ元で聞いてみる。
するとスライムがこっちだよ、と言わんばかりに進んでは振り向き進んでは振り向きを繰り返す。
物は試しだ!とスライムの後ろを金魚のフンの様について行く。
ある程度歩いた場所でスライムが一本の木の前で止まりニコッと笑いながら溶けた体で飛び回る。
木の上を見るとナスによく似た形の黄色い身と洋梨の様な形の青紫の木の実がなっていた。
とりあえず取るために近くの石を拾い投げてみることにした。
すると最初に聞いたことのある声と音がして自分の目の前を見る。
〈狙撃スキルが2に上がりました〉
〈職業ガンナーを取得しました〉
〈ポイズンスライムが狙撃スキルを覚えました〉
わ〜いまたなんか上がったよ。
狙撃って物騒だなぁ。
ってかスライムの狙撃って何??
何を出すの??どこから出すの?
というかこのスキルとかってどうやって見るの?
まぁいっか。
とりあえずこの落ちてきた木の実二つを実食しよう。
床に落ちた黄色と青紫の木の実を手に取る。
両方食べる覚悟を決め最初に黄色の木の実にかじりつく。
う〜ん甘いけど舌がピリピリする…。
なんだろうでも美味しい…。
〈スタン耐性が2に上がりました〉
これって食べたら痺れるやつなのかぁ…と半ば諦めて腹に収める。
まだ食べられそうなので青紫の木の実も食べ始める。
う〜ん独特な苦味が広がる…。
食べれなくはないけどビターな味だ…。
〈毒耐性が3に上がりました〉
このスライム私のこと恨んでるんだな。
許さないぞ。
そのうち硬いスライムにするために粘土加えてやるから覚えてけ。
悪意のないであろうスライムの悪態を吐きながら青紫の木の実を食べ切る。
そして周りをよく見て改めて再確認する。
知らない場所に知らない植物。
見たことのない生き物がいる。
そう、ここは前に住んでた世界とは違う異世界で居眠りをしていただけの私が謎の力によって異世界に来てしまったこと。
ここでは私の知らない力があること。
これを再認識したのであった。
だからと言って頭のどこかで分かりきっていた事を再認識したところで状況は何も変わらないのでスライムのお供を連れて目的もなく歩くことにした。
う〜ん…正直言って腹ごしらえだけが出来ても意味がない…。
帰る方法もなければ家もない…。
かと言って自分の能力が確認できる訳でもないしなぁ。
この状況を打破するためにう〜んと唸りながら歩き続ける。
そういえば昔秘密基地を友達と作った時に合言葉があったなぁと思い出してハッ!と閃く。
そうだ!合言葉だ!!
片っ端から行けそうなの試せばいつか能力が見れるのでは!?
よーし!やってみよう!
ガッツポーズをして片っ端から能力を見れそうな言葉を言っていく。
しばらくしてある言葉で目の前に能力が書かれてるであろう半透明な画面が現れた。
そこに書いている文字をゆっくりと見ていく。
〈職業:異世界人〉〈HP150/MP110〉〈レベル1〉
〈スキル〉 〈職業〉
〈毒耐性:3〉 〈モンスターテイマー〉
〈スタン耐性:2〉 〈ガンナー〉
〈狙撃スキル:2〉 〈創造人〉
〈創造:MAX〉 〈回収人〉
〈採取:MAX〉 〈管理人〉
〈保管:MAX〉
〈テイマーモンスター〉
・ポイズンスライム
この画面を見て分かったことが幾つかあった。
一つ、ここにはレベルがあり上がれば強くなれること。
二つ、スキルと職業がありスキルや何かの鍵が作動した時に追加されたそれに上限がないこと。
三つ、スキルにもレベルがあり上限になるとMAXと表示されること。
四つ、今はスライム以外のモンスターは見つかっていないだけで他にもいること。
これを知れただけでも大した収穫だろう。
そして何よりも創造と採取と保管がMAXになっていると知れたことは大きい。
創造の説明には
【作れないものはない。全てが手の中だ】
採取の説明には
【取れないものなどない。これは物なのだから】
と書かれている。
保管に関しては何も説明はないがまぁこのスキルを見ればわかる
説明から察するに採取を使えば材料が取れる。
取った材料は保管する。
保管した材料を使い色々と創造をする。
ずいぶん単純だがとても面白そうだと考えていた。
この能力があればなんとか帰れるまで暮らしていける!
何より異世界だし楽しもう!
よしっ!女子高生の異世界ライフ始まりだ〜!!
長くなり過ぎる場合もございますのでご注意ください