存在証明
掲載日:2020/12/07
無防備な足裏が
冷たいフローリングの
床に降りたって
朝ははじまる
窓の外はほの暗く
煌々と白い照明が
過ちみたいに
部屋を照らした
起き抜けの
ぼんやりとした思考は
徐々に組み立てられ
無感動に
段取りをつけはじめる
朝の支度はまるで
身体に染みついた
儀式のように粛々と行われ
私はたちまち
生活にのみこまれてゆく
始点でも終点でもない
朝は流れ
灰色の時間と
射し込む薄羽の陽
身を委ねれば
空白を重ねるように
佇む玄関で
行儀よく並ぶ靴に
滑り込ませた
まだ温もらない指先だけが
凛と私に
抗っている




