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気がつくと俺は砂浜に倒れていた。体を起こしてみると体の中に不思議なエネルギーを感じた。
「これは魔法の力か?それともゲームの力が使えるって言ってたからそっちかな?」
特に体を見渡しても以上は見られないしかも7歳も若返って体力も十分だ。
「よし!まずは」
基本的にゲームでも現実世界でも人間が生きていくために必要な物はかわらないまずは最低限生きていけるようにしなければならない。
「とりあえず水かそれに雨が降りこまない拠点だよな」
Creator of the worldではプレイヤーに食事などのエネルギー量や体温なども設定されていた。頭の中をイメージすると拠点を建てるのに必要なアイテムの製作方法や材料が浮かんできている。
「なるほど素人では再現できない道具の細かな部分は魔法で補っているわけか」
それか水と拠点になりそうな材料を探すため辺りを散策した。20分ほど散策していると海に流れ込んでいる川を見つけた。水を調べてみると
「まっず!しょっぱいなここは下流だし海水も混ざってる、上流に行かないと真水が手に入らないな」
それから俺は川に沿って歩き始めた。すると森の中に入ってきた。森の中は当然木が沢山生えている。拠点の材料もたくさん落ちている。しばらく歩いていると木があまり生えてない平らな空間を見つけた。
「ここは開けているし川からも近いな」
「ちょうどいい場所だからここを拠点にしよう」
とりあえず俺は川の水で喉を潤した。次はいよいよ拠点作りだ一番重要な水は確保したので次に必要な食糧の調達また火を起こすための燃料それに拠点作りだ。
「とりあえず道具だよな」
頭の中から使えそうな物をイメージした。するといくつか頭の中に思い浮かぶ。
「石斧に...石槍か」
拠点政策や食料調達に必要なアイテムを見つけ製作のために材料を探すどちらも石と丈夫な枝が必要らしい。幸いここは森の中だ材料には困らない。ついでに焚き火用の枝も集めることにして2時間ほど辺りを回った。成果としては道具を作るのに十分な量が集まった。早速道具を作ることにする。頭のイメージの通りの材料を持ち道具のイメージを具体的にする。そして魔法操作をイメージすると手に不思議な光が漏れ出した。
「これが魔力なんだ!」
魔力の光が材料を包むと手には石斧が出来ていた。このまま使えそうな道具を作っていくことにした。そして石斧、石槍、石のナイフ、焚き火用の乾いた枝気がつくと体の中に流れていたエネルギーがかなり無くなっていた。魔力のイメージをより強く感じると
30/200となっていた。
「なるほど道具ひとつだいたい50消費して焚き火用の枝は200本で20か」
なんとなく道具のエネルギー消費を確認しつつまた一分ごとに魔力が5ずつ回復しているのも分かった。どうやら魔力操作の力も影響しているらしい。
「よしさっそくやるか!」
俺は初めてゲームをやった時のワクワク感を胸に拠点を作り始めた。石斧を使って木を伐り始める。体には製造者の力が働き簡単に丸太を作ることができた。本当は丸太を作るにはもっと複雑な工程がいるんだろうがゲームの力が働いており木を伐ると不思議と丸太になっていた。
「スッゲー簡単に出来るじゃん!」
俺は楽しくなってきてドンドン木を伐り倒していった。ちょうど回りにあった木を2時間ほど伐り続けていると腹が減ってきた。空を見ると太陽は真上から少し傾き昼を過ぎた頃だった。
「そうださっき作った槍を使ってみるか」
俺は石槍を持ち何か食べられそうな動物がいないか探し回った。しかし素人では動物を捕まえるどころか見つけてもすぐに逃げられてしまう。そこで頭の中で何か使えるイメージがないか探していると
「ん?罠?」
「蔓で作れるのか」
俺は石ナイフで木に巻き付いている蔓を切り取り魔力を流した。すると蔓は絡み合い丈夫な縄のようになり輪っかのようになったこれをいくつか作り木の枝をしならせて設置する。それを複数設置していった。動物がこの罠を踏むと魔力によって固定された枝が元に戻り縄が足にかかる仕掛けだ一回の設置で20ほど魔力を使う
「今回肉は諦めるか」
「おっ、あのキノコ食える気がする」
ふと回りを見渡すと木の根元に生えているキノコが目に入ったゲームの能力だろう不思議と食べられそうなものが分かる。俺は周りに生えているキノコや木の実を採取して拠点に帰った。
「キノコって生で食べれんのかな」
「火入れないと腹壊すよな」
おれは枝を組み合わせ焚き火が出来るようにした。そして木に手をかざして火のイメージをして思いっきり踏ん張った。
「火よつけー!」
すると手の中心が熱くなり枝が燃え出した。体から魔力が減るのを感じた。
「やったついた!」
「一回でだいたい魔力3か小さな火だったしこんなもんか」
それから俺は急いで火が消えないように風よけの石で回りを囲みついでにキノコが焼けるように台のようにした。枝にキノコを刺して台に乗せてしばらく待つ。待っている間に川に行き木の実を洗いついでに喉を潤した。
「そろそろ焼けたかな」
俺は腹が減っていて限界だったため急いで拠点に戻った。そして火に一番近いキノコを手にとりかぶりついた。
「旨いなこれ」
キノコの中からジュワっと肉汁?キノコ汁があふれ出しキノコの旨味が口にあふれ出した。俺は焼けたキノコからどんどん食べていった。木の実も甘酸っぱくてとても美味しかった。
「いやー食った食った当分は余裕だな」
腹が満たされた俺は丸太が並んでいる所まで行きイメージを膨らませた。
「家っていってもまだまともなものは出来んよな」
丸太に魔力を流そうとしてふと気が付いた自分の中の魔力とは違う物が丸太に流れている。すると頭の中に声が流れた。
「シュミレーションゲームだからな建築はゲーム的要素が働いているから魔力はいらんのじゃ」
なるほどシュミレーションゲームとは言っても基本的には施設などは簡単に作れる。そこのゲーム的な簡略化が働いているらしい。俺は小さな山小屋をイメージしたすると丸太は光を帯び魔力の形がイメージした小屋の形になりそこに丸太がはまっていった。しばらくすると山小屋が完成した。さっそく中に入ってみる。
「内装は何も無いんだな」
窓は両開きタイプでガラスはついていない素材を集めればドンドン強化でき増築も出来るらしい。家具などは全くなく机や椅子などはイメージで作れるせっかく丸太が余っていたので家具も作ることにした。机に椅子それに道具箱を作ることにした。
「家具は自分の魔力を使うんだな」20/200
どうやら家具一つ60魔力使うらしい。一分で5回復するとはいえ多くは作ることはできない。外を見るとだいぶ日が落ちてきていた。今日は疲れていたので早めに寝ることにした。
「今日は朝からびっくりだったな」
朝ゲームを買いに行ってからトラックに引かれ神に会い転生して自分の建てた小屋で横になっている。
「早く寝て明日罠を見に行こう」
「明日はもっと色々な素材を探したいな」
「風呂も入りたいしトイレとかどうしよう」
現在トイレは離れた所に穴を掘って排泄を行っている。いずれいっぱいになるしどうにかしなければならない。粘土や鉄などあると作れるアイテムはさらに多くなる。これからは気合を入れて探さなければならない。しかも俺は今、地理的にどこにいるのか回りの状況も確認しなければならないし、まだ人に会っていない。やることの多さにワクワク感でなかなか寝付けなかった。