テンプレ?
俺達が登録を終え、ギルドを出ようとしたときだった。
「おいおい、そんな奴らを冒険者にするなんてギルドも随分と甘くなったもんだな~」
テ・ン・プ・レ キター!
「ど、どうも」
「スズキよなぜ言い返さない」
もちろん面倒はごめんだからだ。ザ・日本人思考!
「そうだぜ、スズキさんよ、そこのいけすかない格好した兄ちゃんの言うとおりだ。俺、寂しいなぁ」
スラさんの見た目だが、金髪ベリーショーとの欧米風イケメンだ。身長も180は余裕である。来ている鎧は鉄の鎧でデフォルトは、某野菜星の王子が登場時来ていたような長い肩パットがあるような感じだ。
足は鉄製の長いブーツ、腰には剣がかかっている。剣は鉄でできた平均的な者だ。残念ながら聖剣ではない。
これらは全て召喚時に身につけていた。
因みに俺は、平均的な日本男児の顔立ちに身長は170ほどだ。エメラルド王国でもこの顔立ちは普通に見かける。
そして、突っ掛かってきたおっさんは白い半袖シャツに毛皮のベスト、綿の短パン、サンダルを身に付けており短髪の緑頭身長はスラさんと同じくらいで筋骨隆々。顔面凶器だ。
と、容姿の話が終わり、話が戻る。
「いや、もういいでしょ、俺達依頼受けたいんでな」
「ああ?なんだその態度は?」
男はすっと手を延ばしてきた。剣の柄に手を添えるスラさん。嫌な予感が……
「ガッハハ、その態度が出来れば十分だ!いい冒険者になれよ!」
そういうと男は何も言わずに去っていった。
「何だったんだろう、あれ」
「わからん」
スラさんにビビった低級ぼうけんしゃだったんだろうか?まぁ、テンプル回避で万々歳かな。俺達は色々とモヤモヤしながらも依頼がある掲示板に向かった。
掲示板には、定番の薬草の採取、ゴブリン討伐、スライム討伐等があった。
スラさんがこちらの世界のゴブリンを見てみたいということで、俺達はゴブリン退治を受けることにした。スライム討伐はちょっとね。あれだから。
「すいません、これ受けます」
「はい、承ります。そういえば、さっきは大変でしたね。この国でも数少ないAランクの方に絡まれるなんて」
受付嬢はふふっと笑いながらトンデモ発言をしてきた。
「えー!Aランク?」
おいおい、ここは低ランクのならず者あたりが絡んでくるのがテンプレだろ、手を出してたら危なかったかも……。あの嫌な予感はこれが理由か。
「まぁ、あの人は新人に警戒心をもってもらいたくてやってるらしいですよ。実際に怪我した新人はいませんしね。ただ、真意は不明ですけど」
「あの人の名前は?」
「申し訳ございません。それはお教えすることができません」
「何故です?」
「彼の意向だからです。初心者が成長し、どこかで共に戦うとき話しかけるネタにしてもらいたいそうですよ」
「は?なんだそりゃ?」
「スズキ様がそういわれるのもわかります。しかし、本人はそう望んでいるのでギルドとしてもこのような対応になります。ちなみにですが他の冒険者に聞いても教えてもらえないかと。あの人に怒られたくないでしょうから……」
「まぁ俺たちが冒険していけばまた会うか!」
「うむ、そうだな」
「ご理解感謝いたします。
では手続きは完了いたしました。依頼の達成及び安全を祈っております」
「「行ってきます」」
ギルドを出たあと、まず俺達はゴブリンがいると言われた街道近くの林へ向かう前に宿をとることにした。
幸運なことに門近くに二人一部屋をとることができた。1人4000Gで朝食付だ。円換算で4000円て感じかな?最近のビジネスホテルみたいだ。
ここで、国からもらった旅の道具を説明したい。
大きめのバックパック1つ、傷薬、生活水を出す魔方陣(便利!)、火打ち石、砥石、布数枚、着替え、エメラルド王国の大まかな地図だ。
ここはテンプレのマジックバックとかではないんだよな。なんかさっきといいテンプレがことごとく俺を避けていく気がする。
もちろんこの荷物は俺が持つ。なぜかって?俺は、戦えないからさ!これくらいはするさ!
あっ、なんか涙出てきた。
「スズキよ、どうした?」
「なんでもない」
そんなこんなで宿を出た俺達は遂に門の外へ出ることになったんだ。