今後の予定と冒険者ギルド
「さて、今後どうするかだが、やはり旅をしてもらうのが一番良いのではないかと思っとる」
「旅ですか」
「そうだ、冒険者稼業がいいだろう。紹介状を書いておくから、多少は便宜を諮ってもらえよう」
「でも、それって放任では……?」
「一応仕度金は、十分払おう。普通の宿屋で一月は暮らせる金額として20万Gだ。それと、王による身元保証書だ。これがあれば商人からのぼったくり等もなかろう」
「なるほど、俺は、それでいいですよ。スラさんは何かある?」
「タロウの装備がいるのではないか?」
「ナイス!スラさん!」
言われるまで忘れてたわ。
「あと、今後俺は、スズキと呼ぶぞ、タロウだと自分を呼んでるようでな」
「OK!」
「では儂もそう呼ぶぞ。スズキの装備だが、最初から上位装備では装備ありきのスタイルになってしまうだろう。それに、冒険者はある程度移動しやすい方がいいだろう。
ということで、中位の皮鎧一式を授けよう。」
「ありがとうございます」
それでも十分だろう。もしかしたら他の冒険者からは甘いとか言われるかもしれない。しかし、俺はこの世界を知らない。これくらいは甘えてもいいだろう。
「とりあえず、冒険者としてレベル上げをするとして、どこに向かえば?」
「道中の魔物は弱いし、港町シータウンに行くとよいだろうな。しかし、まずは王都の冒険者ギルドでノウハウを学ぶといい。いざとなれば我も助けられるしな」
「わかりました。ところで、ここは王都だと思うんですが、何て言うんです?」
「エメラルドだ」
王家と同じか。まるで野菜の名のする星のようだ。
「スズキよ、そろそろ行くか」
「そうだね、スラさん。王様では行ってきます」
「うむ。強くなって来てくれ。ガッハッハ!」
そして、城を出る途中で仕度金や、装備をもらい俺達は王宮を後にした。
王宮をでると俺達は冒険者になるため冒険者ギルドへ向かった。
「こんにちは、冒険者になりたいんですが」
「はい、冒険者登録ですね」
「あっ、そうだあとこれを……」
俺は、王の紹介状と身元保証書を見せた。
「これは!?少々お待ち下さい」
そういうと受付の女性は奥にいってしまった。
5分後
「お待たせしました。こちらへお願いします」
「はい」
受付嬢に言われて俺達はある部屋に移動することになった。
「ほっほ、君達は異世界の出身だとか」
呼ばれた場所に向かうとお爺さんがいた。
「儂はここのギルドマスターであるダジリンだ。よろしくのぅ」
「鈴木太郎です」
「スラ=タロウだ」
「お二人ともタロウなのですな。ほっほ、面白い。ところでスラ殿は魔物だとか」
「そうだ」
「本来魔物は従魔として登録され冒険者にはなれんのじゃ」
「えっ?そんな、スラさんは魔物といえ勇者なんですよ」
スライム族のだが。
「うむ、王からの紹介状でその件は把握しておる故に例外的にスラ殿を冒険者として登録する」
「よかったぁ」
「ということで、これが二人の冒険者証明書じゃ、なくさんようにの」
そういうとダジリンさんは二人にDランクの証明書を手渡した。
「因みに本来はEランクからなんじゃがな、特別措置じゃ」
「え?いいんですか?」
「勿論。別にこの措置事態が始めてではないしの」
「「ありがとうございます」」
こうして俺達は登録を終えた。