海岸戦線
俺たちは町の人の話しを聞きすぐに海岸へ向かった。
「ゴォー」
俺たちが建物の陰から海岸の様子をうかがうと、そこにはヘドロのような塊の魔物が鎮座していた。そして、周りにも小さなヘドロがうごめいている。辺りは酷い異臭だ。海にいくと隅にすごい臭いがする場所があるだろ?もう、海岸が全部それ。どうやらあの魔物が原因だ。
「あれは?」
「あれはビックヘドラー、ヘドラーの上位個体だ。周りにいるのはヘドラーだろう」
見た目通りの名前だ。
「俺たち勝てるかな?」
「わからん、奴の攻撃は毒が中心だ。まずはスラミがいないと話にならないだろう」
「わかった、召喚するよ」
俺はすぐさまスラミを召喚した。
「ちょっと、なによここすごい臭いじゃない!」
そう、今海岸はさらなる異臭に包まれている。某硫黄が有名な温泉地の臭いを凝縮させたようなにおいとアンモニアのようなにおいが充満している。正直これ以上きつくなると呼吸できる自信がない。
「スラミ、人化を鼻の部分だけ解除しろ、そうすればなんてことはない」
「流石スラね、わかったわ」
そいうとスラミはクリ〇ンのようになる。
「ちょ、もしかして俺だけ苦しい感じ?」
「「頑張れ」」
「ひ、ひどいよ二人とも~」
「さて、談笑はそこまでにして、作戦だ」
そこまでにしてほしくはないのだが。取り敢えず俺は腰に巻いてある布をスラゴンに濡らしてもらい鼻と口おおう。これでいくぶんかましになった。
「スラさんのファイヤーボールで吹き飛ばすのはどう?」
「だめだ、ガスが充満していることも考えられる。大爆発が起きるかもしれない」
「じゃあ、斬るの?」
「あの流動体に斬撃が通るとでも?」
「え?詰んでない?」
「あなたたち私のこと忘れてない?この最大火力を持つ私を!」
「いや、忘れてないよ。何か案ある?」
「ガス、吹き飛ばしましょう。そして、スラの炎でドーンで終わりよ」
すごいパワープレイだ。でも有効ではありそうだ。
「スラさん俺は賛成何だけどスラさんは?」
「うむ、いいだろう」
「あと、二人にとどめについて一言」
「なんだスズキよ?」
ゴニョゴニョ。
俺はある案を二人に伝える。俺の話を聞いた二人は驚いた顔をする。
「「了解」」
そのあと立ち回りなどを考えた結果、俺とスラゴンで人の避難とスラさん達の援護をすることになった。ほんと俺って根っからの非戦闘要員だな。でもいいのさ、某モンスターゲーも、主人公は戦わないだろ?
俺たちは建物の陰から出て海岸へ向かう。スラミはテンペストのために魔力を貯め始める。
「皆さん、ここは俺たちに任せてください!退避をお願いします」
「おお、冒険者か、助かる。しかし、あいつらさっきから動かんからな俺達のことは気にするな」
先に海岸にいた兵士から想定外の話題がきた。もしかして害がない?
「それはどういうことですか?」
「それがわけがわかん。急に黒い渦が海に沸いたと思ったらこいつが現れたんだ。倒そうとしたがあの体だ、俺たちの剣じゃ効かん。しかも奴は小さい仲間を生み出して近づくこともできん。だから奴が直接町に手を出さないように見張っていたのさ」
「なるほど、ではこれから俺たちはあの魔物を倒そうと思います。兵士の皆さんは町の人を近づけさせないようにしてもらっていいですか?」
「わかった。それは任せてくれ。健闘を祈る。」
そういうと兵士は他の兵士にも話をしに走り去っていった。
「さて、やりますか」
とりあえず避難誘導を兵士に任せた俺はスラさん達と合流する。俺達が近づくとヘドラーがビックヘドラーを守るように立ちふさがる。さっそく俺はサンドボールをヘドラーの数の二倍の量を作る。ここは海岸だ砂はたくさんある。そして、作ったボールを魔物に向かってひたすらに投げまくる。
「ゴォー」
ヘドラー達には一切ダメージはなさそうだしかし、それでいい。
「サンドボール」
俺はひたすらにそれを繰り返す。
「ゴ、ゴオ」
俺の砂によりヘドラーの体は砂だらけになるその重さによりヘドラーは動きがかなりにぐくなった。
「二人とも今だ!」
ヘドラー達の動きが鈍くなりビッグヘドラーに接近がしやす状況を作ると、火力組みを通過させる。
「ナイスだスズキ!」
「後は任せた、ブフォ!」
スラさん達を通過させた時点で顔面に異臭が……どうやらヘドラーがスラさん達を足止めしようとした攻撃がヒットしたらしい。この攻撃ヘドロを投げるというもの……く、臭い。
「スズキー!」
「大丈夫、ダメージはなさそうだ。」
「わかった、さっさと終わらせて水浴びでもしよう」
そうして、スラさんはまたビックヘドラーに向き直った。
「スラさんはああいうけど、スラゴン、スプラッシュお願い。」
プルン!
ブシャーと水がかかりなんとかきれいになったようだ。さて、砂かけばばあよろしくのごとく砂かけまくりますかな。
俺は二人の勝利を祈りながら再び砂かけ作業に戻った。




