台風前の静けさ
精霊が肉体を取り戻したころ……。
「む、私の隷属魔法が解かれましたね」
「おいおいまじかよ」
「ええ、まじです」
「うーん、またまた邪魔が入ったということですかね」
「しかし、どうやって解除したんだ?」
「そこまでは私もわかりかねますね。まあ良いでしょう。碌に操ることもできない状態でしたし」
「それはそうと、魔物の育成は?」
「出来ている。いつでも解き放てるぞ」
「では、そちらの計画に変更ですかね?」
「ああ、そうだな。海が資源の町だ。こいつは相当活躍するだろう。ぶっちゃけ精霊が暴れるよりきついだろうよ」
鈴木達は知らない。シータウンに危機が迫っていることを。
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俺たちは精霊と別れて宿に戻った。精霊は仲間の下へ戻るらしい。
「また会ったらよろしくね!」
そういうと精霊は姿を消していったんだ。
「ところでスズキ、次はどこへ行こうか」
「うーんどうしようかな。ルルたちにおすすめの場所聞いてみようよ」
「そうだな」
「おかえりなさい」
宿に着くと女将さんがいた。
「幽霊どうなりましたか?」
「どうやら成仏したみたいですよ?もう姿を見せないと思います」
「ほんとですか?ありがとうございます!あの洞窟でしか取れない貝があるので助かります」
俺達は精霊については情報を伏せることにした。精霊によるとどうやらこちらの世界でも、精霊は空想上の生き物と考えらえているらしく、本当にいると知られれば精霊に危険が及ぶ恐れがあるからだ。実際に今回は精霊を狙ったものがいたわけだし、警戒しすぎということもないだろう。
今回の精霊が見つかったのもかなりイレギュラーだったわけだ。
「女将さん俺達そろそろこの町を出ようと思うんだけど、おすすめの町とかあるかな?」
「うーん、スズキさん達は冒険者なのよね?ならやっぱりウェポンタウンじゃないかしら?鍛冶の町よ」
鍛冶!となると……
「ドワーフとかいますかね?」
「そりゃドワーフの町だもん、いるわよ」
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!ファンタジーといえば剣と魔法そして、空想上の種族。ドワーフに会えるかと思うとオラわくわくすっぞ。
「あら、スズキさんうれしそうね」
「ええ、ドワーフは見たことないので。スラさんもいいかな?」
「構わないぞ、そろそろ防具も新調したいしな」
そうなのだ、俺達は度重なる戦いで防具が結構ガタが来ていた。王都では武器しか新調できていない。
「じゃあ、決まりだね」
「スズキさん達はいつ頃出発なさるの?」
「そうですね、少なくともあと3日はいるよね、スラさん?」
「そうだな、資金つくりのために依頼もこなすし、準備にも時間がいるしな」
「わかりました。それではそれまではうちでゆっくりしっていってくださいね」
それから数日間俺たちは依頼をこなしまくり30万Gほどの資金を貯めた。そして、準備も終え、明日にでも発とうとしていた時にそれは起きた。
「うわー、なんだあれは!?」
「海が、俺たちの海が!」
「なんて臭いだ!」
俺たちが依頼から戻ると町が騒がしかった。
「おい、何があったんだ?」
スラさんがすれ違う町の人に尋ねる。
「海が急に汚染されたんだ!もうこの町はお終いだ……」
そういうと町人はどこかへと駆けていった。
シータウンが存亡の危機に直面していた。




