貧しい村
俺たちが森を抜けると村にたどり着いた。村の名は第一エメラルド。村は小さな集落といったところだ。日本における村とは規模が違う。30分ほども歩けば横断出来てしまう。
俺たちが村に着いたとき、村はひどくすたれていた。そこで第一村人に聞いてみる。そういえばこの世界にダーツはあるのだろうか?
「皆さんお疲れのようですね」
「ああ、実はな」
「おい!お前何を話そうとしている!」
突然老人が第一村人に声を荒げた。
「そ、村長」
「すみませんがあなた方は旅のお方ですかな?」
「はい、冒険者やってます」
「そうですか、それでは寝泊まりできる場所へお連れしましょう」
そういうと、村長といわれた男は俺とスラさんを第一村人から引き離すように案内を始めた。
「ここです」
村長に案内されたのは平屋の建物だ。中は臨海学校のような大部屋といえば伝わるだろうか?どうやらこの村には宿はなく、このような村営の平屋が貸されている。利用者は共同で寝泊まりするのだそうだ。幸い今ここには俺たちしかしない。
「それではごゆっくり」
そういうと村長は去っていった。
「スラさん、どう思う?」
「絶対に何かあるだろう」
「俺もそう思う。村長に信頼してもらうためにもこれを見せていいかな?」
「いいと思うぞ。」
そういうと俺たちは外にでて戻ろうとした村長を引き留めた。
「村長、今村で何か起きてますね?」
「一体何のことでしょう?」
「これを」
そういうと俺は一枚の紙を見せた。
「こ、これは王の身元保証書?本物か?うーむこの印は本物だな。あなた達は何者ですか?」
「ただの低ランク冒険者ですよ。どうですか、これを見せてもなお信頼して話してもらえませんか?村の疲弊と関係あるんですよね?」
「わかりました。話しましょう」
そういうと村長は苦悶の表情を浮かべながら話し始めた。
「まだお気づきではないでしょうが、この村には現在若い女性がいないのです」
すぐに平屋に案内されていたので気が付かなかったな。
「それはまたなぜ?」
「人攫いです」
「「なっ」」
俺とスラさんは顔を見合わせる。
「もしかして、それはゴブリンが行っていませんか?」
「いや違いますが?」
どうやらテンは関係ないのか?
「攫ったのは盗賊ですじゃ。若いおなご達が川へ洗濯にいったときに襲われたようじゃ。護衛もいたのじゃが敵は10人以上おり、守り切れなかったらしくての。
盗賊達は女子たちの身の安全税という名目で毎週末、食料と金を要求、それがすでに3か月ほど続いておりますじゃ」
「なぜ王都に報告をっていうのは無粋ですね」
「ご理解感謝します。そうです、盗賊に口止めされていました」
「おなご達は無事なのか?」
「はい、無事なようです。というのも、毎週盗賊は私が指定した村の男を一人連れて確認させているのです」
「なんだそれ?でもおかげで場所はわかるんですよね?」
「いいえ、盗賊は村人を連れて行くときには目隠しをさせているのでわからないのです」
どうやら盗賊は徹底的に村から搾取するつもりらしい。しかし効率化されすぎてる。本当に盗賊か?
「村長、もしよければ俺たちが手を貸そうか」
「し、しかし盗賊にばれたら……」
「大丈夫。ばれる前に見つかるさ。こんな方法なんだが……」
スラさんが提案した作戦はこうだ。
まず、盗賊のアジトに行った人間から歩いた時間を聞く。その周辺をスラゴンの敵察知で捜索。10人以上の反応を見つけたら突撃。
とてもシンプルな作戦だ。もっともスラゴンが魔物だからできる方法ともいえる。
しかし、問題が起きた。どの男性に聞いても時間がバラバラなのだ。どうやら盗賊はルートを毎回変えているようだ。そこで俺たちはもっとも短い時間に基づいて捜索した。これならさらに近ければそこから範囲を絞ることができるからだ。
俺たちはスラゴンを送り出し、村で待機することにした。




