宴
PV1000越えありがとうございます。
節分なので恵方巻でも食べようかと思います。豆まきは一人暮らしですがやるべきでしょうか?笑
駄作ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
俺たちは仮眠から目覚めるとギルドへ向かう。
「おお、鈴木達待っていたぞ」
ダジリンが声をかけてきた。ギルドは多くの冒険者でにぎわっている。
「ダジリンさんお疲れ様です。すごい人ですね!」
「ああ、作戦に参加した冒険者と国の兵士たちもいるからな」
「こんなに大勢で大丈夫か?」
「なんだよスラ、大丈夫かだって?しらん。なるようになるさ!」
スラさんの質問を豪快に笑い飛ばずダジリンさん、一方スラさんはぶすっとする。まあ宴なんだ。楽しんだもん勝ちだろう。
「おおスラ達じゃないか」
「ララ、それにリリィおつかれ!」
「ん」
「今日は楽しもうや!」
ララやリリィも合流し俺の周囲もにぎやかになってきた。同窓会やサークルの飲み会で集まった感じだ。ボッチになるか不安になりつつも飲み会を楽しみたいという不安と期待の入り交じったあの感じだ。
「それじゃ、そろそろ始めるかね。お前たち私に注目しろ!」
ダジリンが声を上げる。するとギルドは一瞬でしんと静まる。
「この度はゴブリン討伐ご苦労だった。しかも今回は背後に人攫いがかかわっているという厄介な任務だった。しかし、一人も死傷者も出さず、また、攫われた人も無事助けることができた。今日はそれらすべてを祝しての宴だ!じゃんじゃん飲んで、食べてくれ!それでは乾杯!」
『カンパーイ!!!』
ギルドで乾杯の声が響き宴が始まった。ギャハハハという下品な笑い声もとても心地のいいBGMになっている。俺たちは時間を忘れて楽しんだ。ララやリリィたちと話したり他の冒険者にゴブリンキングの話をしたりした。そうして俺たちが楽しんでいるころ一人の男性が俺の肩をたたいた。
「楽しんでいるところ悪いが少々いいか?」
「どなたですか」
「儂だ」
そういうと男の顔が一瞬で変わり王がそこに現れた。
「おっ」
王と言おうとしたところで口を押えられる。
「すまんがお忍びで来ていてな。少し二人で話したい」
「わかりました」
俺は王とともにギルドの外に出た。
「この度はご苦労であった」
「いえいえ。大したことはしていません」
「そう謙遜するな。城をでてたった数日でこのようなことをなしたのだ。もっと自信をもって良い」
「まぁ私自体は攻撃力皆無ですので、スラさんや、スラゴン、他の冒険者の協力あってでした。ところでお話とは?」
「ああ、人攫いのことだ。どうやら複数の人間がかかわっているということだが?」
「はい、一人は魔物使いだと思われる人物でテンと名乗っておりました。しかもそいつは能力で魔物の成長を促進できるようです。また、土魔法を使えます。もう一人は奴隷商人かと思われます。ただ、奴隷商人の方は姿を確認していませんので推測でしかありません。仲間なのか単なる取引相手なのかそこまでは不明です」
「なるほど、簡潔で分かりやすい説明だった。感謝する。そやつらについては国の方でも調べてみよう」
「あとこれは個人的に気になったことではあるのですが、今回の件は相手にとってはいたずら程度のことらしいのです。本格的に王都を落とす予行演習のような。ですので王都の防衛を強化する必要があるかと」
「うむ。その件についてはギルド長から聞いておる。まずは外壁の強化及び周辺のパトロールを増やす予定だ」
「流石です」
「してタロウよ、お主は次はどうするつもりだ?」
「はい、王都をでようかと」
「なるほど、ではシータウンへ?」
「はい。そのつもりです」
「わかった。楽しい時間を邪魔して済まなかった。私は城へ戻るとしよう」
「すいません、あと一つ報告が」
「なんだ?」
「召喚で新しい仲間が増えました。スライム族の聖女です」
「なっ!」
「スラさんの知り合いらしく、状態異常回復に優れています。なにか助けになれることが出てきたら教えてください」
「それはとても良いことを聞いた。毒等は厄介だからな。それにしても聖女か。スズキの仲間はまるで物語に出てくるような人物ばかりだな」
「そうですね。私には勿体ないです」
俺は苦笑いで応える。だってそうだろう?俺は一般人に過ぎないんだ。それが物語の人物だなんて恐れ多いぜ。
「他に何か報告はあるか?」
「いえ、とくには」
「そうか。ではまたの」
そういうと王は去っていった。俺は王が立ち去るとギルドへ戻りまた冒険者達とドンチャン騒ぎをした。そしてそのまま夜は更けていった。
お読みいただきありがとうございました。
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