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異世界の聖女

俺達は朝起きると早速外に出て新たな仲間を召喚することにした。


「スズキよ、新たな契約の約款についてなんだが、変更しないか?」

「?」

「帰還できるのは、召喚の目的を達したときだろ?なら、呼んだときの用件を達成したら、帰還できるようにしないか?俺が言うと嫌味にも聞こえるかも知れないが、帰れないってのは寂しいぞ」

「たしかに……」


俺達の旅の目的達成は容易ではない。それ故中々帰れないのは確かだ。スラさんが文句を言わないからこそ気にしてなかった。いや、気にしてはいたが、気づいていないと思い込んでいたという方が正しいのかもしれない。


「よし、召喚契約自体の解消は危機を回避したとき、帰還のタイミングは、その召喚時の目的を達成したらとしよう」


そこで今までの帰還の条項を以下のように書き換えた


①当事者間の契約は魔王の危機を回避したときとする。


② 乙は甲の召喚時の目的が達成できたとき、乙の任意で帰還することができる。


帰還に関する条項に一項と二項を付け足した。


「スラさんどうかな?」

「いいと思うぞ」

「よし、じゃあ召喚するね」


召喚!と俺は念じた。


辺り一面にパァーっと光が拡散する。そして、光が収まったとき、そこには一人の少女がいた。


「ここは?」

「き、君は!」

「えっ、スラ?」


オ?エーーーーーーーー?


もしかしてスラさんの知り合い?またスライム?


「スラさんこちらの方は?」

 「彼女はスラミ=ハナコ。スライムの聖女だ」

 「スラ!どこに行ったのか心配したんだから!」


 まさかの聖女かよ。


 「そういえばあなたは?」

 「鈴木太郎といいます。縁あってスラさんと旅をしている者です」

 「スズキは俺をこちらに召喚したんだ。」

 「へー召喚士だったんだ。じゃあ私もあなたに召喚されたのね。でもあなたと契約を結んだ覚えがないんだけど」


 いつものキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!


 「ここに来る前何考えてたか覚えてます?」

 「んーと確かスラが何かに巻き込まれたのかもしれない。助けたいみたいなことを……はっ!私今なんか恥ずかしいことを言った気が」


 スラミは頬を赤く染める。くそっ!なんだこの甘い感じは。ブラックコーヒー何処。


「スラミ、たぶんそれが契約の合意と捕らえられたのだ。実は俺はスズキの用事を解決しなければ帰還できないんだ」

「は?なにそれ。それはほんと?」

「はい、申し訳ないけど事実です」

「じゃあ何私もここにずっといろと?」

「いえ、スラミさんは大丈夫です」


 そういって俺はスラミさんに契約内容を伝えた。


 「なるほど、これについてはよくやったわスラ。一緒に戻れないのは残念だけど」

 「そういってもらえると知恵を絞った甲斐があるというものだな」

 「でなんですが、スラミさんも協力していただけますか?」

 「まあスラのためにもなるし任せなさい」

 「ありがとうございます!」


 こうして俺はスラミさんに合意を得ることができた。


 「ところでスラミ、向こうでは俺がいなくなってから特に何か起こったか?」

 「いえ、今のところは大丈夫よ。平和そのものね」

 「そうなんですか?勇者を輩出するくらいなので魔王とかいるのかと」

 「なるほど。でもその心配は不要ね。スライムの勇者は前の勇者が死亡すると別の誰かが選ばれるのよ。それでスラが選ばれたってわけ。だから、魔王の存在とは直接は関係ないわ。因みに前の勇者は老衰でなくなったし、その前もそうね。魔王と戦ったのなんて何代前かも不明ね」


 なるほど、スラさんがいた場所が危機的な状況ではないというのは良かった。


「そうだスラミよ、スズキにお前のステータスを教えてやってもらえるか?」

 「いいわよ。はい」

 「では失礼して」


 スラミ=ハナコ 

 

レベル10


体力E

魔力A

攻撃力D

防御力D

素早さC


能力

スライム属の聖女レベル-


魔法

光魔法

ヒール・ハイヒール・キュア・ハイキュア

風魔法

トルネード・エアーガード


スライムの聖女

スライム族の魔力を高める。状態異常無効。物理攻撃30%減。


状態異常無効?やばくね?それにキュアってのは状態上を治す魔法みたいだしスラミさんがいれば特殊な場所も探索できそうだ。いやー、回復役が確保できたのはでかいなぁ。


「確認できました。ありがとうございます」

「ねぇあなたたちのもみせてよ」

「そうですね、じゃあ俺から」


 鈴木太郎


 <ステータス>

 タロウ=スズキ

 

 レベル8


 体力A

 魔力A

 攻撃力F

 防御力D

 素早さD


 能力 召喚(亜種) レベル2

    異世界言語把握 レベルー 


 魔法 闇魔法

    黒霧


    土魔法

    サンドボール


 「次は俺だな」

 

 スラ=タロウ


レベル14


体力C→B

魔力C

攻撃力C

防御力A

素早さD


能力

スライム属の勇者レベル-


魔法

火魔法

ファイヤーボール・ファイヤーピラー


光魔法

シャインボール・シャインピラー・ヒール・ハイヒール



スライムの勇者

擬人化、異世界言語把握、成長幅増加、戦闘経験共有、物理攻撃軽減が統合された能力。


擬人化 人型になれる。

異世界言語把握 文字通り。

成長幅増加 レベル上昇時のステータスボーナス増加。

戦闘経験共有 自身の戦闘経験を一定範囲内の仲間と共有する。

物理攻撃軽減 物理攻撃によるダメージを5割削減。


 お互いレベルが上がってた。しかもスラさんは体力もあがってる。


 「スズキは、レベルにしてはステータスが高いわね」

 「ああ、俺も異世界召喚された別の世界の人間だからね。まあ、あくまで想像なんだけど」

 「これなら今後も期待できるわね。さて、自己紹介も終わったことだし、今日は帰還させてもらえる?」

 「ああ。あれ?どうすれば帰還させられるの?」

 「普通の召喚と同じなら、契約内容の達成を認識すればいいんじゃないか?」


 スラさんに言われた通りにやってみた。


 「何か帰れそう」

 

 スラミさんはそういうと光ながら姿を消した。


 「帰還できた。ありがとうスラさん」

 「気にしなくていいぞ。それにしてもスラミとは想像していなかったから驚いた」

 「俺もまさかまたスライムとは思ってなかったよ。こうなったらすべてスライムでコンプリートしたいね」

 「はっはっは、それはそれで面白そうだ」


 俺たちはそんな話をしながらゴブリン討伐の件のためにギルドに向かって歩き始めた。



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