戦いを終えて
投稿前には一行目、一文字空けてるんですが投稿すると反映されていないのがなぜだかわかりません。
統率が消えたゴブリン達の戦いはお粗末であった。ジェネラルも成り立てだったせいかハイゴブリンに毛が生えた程度の実力でララにあっさりと討伐されしまった。
こうして俺達はスタンピードを防ぐことができた。
「テンに呼ばれて来てみたらこれかよ。あいつ下手こいたな。気づかれる前にずらかるか」
スズキ達の戦いを遠目から見ていた男はそのまま姿を消した。
「ララ、拐われた人の確認をしよう」
「ああ、そうしよう」
俺達はテンが出てきた洞穴に俺達は向かう。
「奴隷商か?」
洞穴で手足を縛られた男がタロウに尋ねる。
「俺達は冒険者です。ゴブリンキングを討伐してここに来ました」
「本当か?あのゴブリンキングを倒したのか?俺は、助かったのか?」
「ああ、あんたは助かったんだ」
「……あ、ああ、本当によかった。もう、奴隷として一生過ごし、妻にも会えないかと思ってたんだ。まぁ、妻が無事かもわからないが……」
「もしかして奥さんの名前はビオさんでは?」
「ああ、そうだ!もしかして妻は無事なのか?」
「ええ、あなたが逃がしたところを俺達が保護しました」
ビオさんの旦那である彼の名前はフェルミンさんというらしい。フェルミンはビオさんの無事を聞くとその場で涙した。
俺達はフェルミンさんの拘束を外し、水と食糧を与える。
洞穴にはフェルミンさんが居るだけで他には誰もおらず、またテンに繋がる手がかりもなかった。
ララのチーム以外の軽傷者は奴隷商が来た場合に備え何人か洞穴に残ることになった。
そして、俺達はギルドへの報告に戻った。
「お帰りなさい、ララさん達だけですか……?」
受付嬢は帰還した人数の少なさから討伐隊の被害を想像したようだ。
「いや、違うよ。理由があってね」
ララが訳を説明すると、受付嬢はほっとしてギルド長を呼びに戻った。
「ご苦労様、皆無事のようで良かった。それで、そちらの男性は拐われていた男性なんだな?」
「はい。ビオさんの旦那さんのフェルミンさんです」
「フェルミンさん、大変お疲れだろう。今日は帰っていただいて構いません。しかし、明日拐われていた間のことを伺ってもよろしいか?」
「はい、構いません。では、お言葉に甘えて失礼します」
フェルミンさんは、退室した。
「さて、お主らにも何があったか聞いておこう」
俺達はギルド長に、テン、ゴブリンキング、奴隷商について説明した。
「なるほど。しかし、悪戯とはまさにその通りかもしれないな」
「どういうことです?」
「本気であの王がいるここを落とすつもりなら100程度のゴブリンで襲わないだろってことだ。なんたってゴブリンなんてEランクでも勝てるからな。ゴブリンで落とすなら万は必要だろう」
「予行演習」
ポツリとスラさんが言う。
「もしかしたら、別の方法で王都を落とすまたは、別の地域を落とすための予行演習なのかもしれない。王都は人材が豊富だ。しかし、他の地域は?これは国やギルドの対応を調べるに過ぎなかったとは言えないか?」
日本にいたころ、泥棒は、狙った家の警備会社の駆けつける時間を調べるために一回わざと警報を鳴らすとか聞いたことがあるけど、今回のゴブリンもそういうことなのか?
「だとしたら今回は未然に防いだ訳だし、いい牽制にはなったかもな」
「うむ」
「とりあえずこの件は王に報告する。それと明日の夜は居残り組も含めて宴会だ。楽しみにしてくれ。それじゃあ、ご苦労だった。解散だ」
俺達は宿へ戻る。宿の部屋でスラさんとの今日の反省をした。
「そういえばスズキよ、レベルは上がったのか?」
「たしかに、結構戦ったし上がってるかも!見てみるよ。……あっ!」
「どうだ?」
「異世界召喚の能力レベルが上がってる……」
俺は、ゴブリンとの戦いを経て第2の仲間を召喚できるようになっていた。
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