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枕の上に 希望の下に(12)

不自然にしたのは誰だ

黄色い彼岸花が咲いたのは

もう ずっと前で

ゆっくり枯れて行くのを

女郎蜘蛛と一緒に眺めた

空に描いた飴玉は

綿菓子に変わる

最後は消えてしまうのだ

最初から半分で生きているみたいに

もう半分を探して行くみたいに



電車の中やタクシーの中で

誰も知らない物語が

回転寿司のように

流れて行くから

僕等は

いつの間にか

自然体を忘れていく

速さに追いつけと

何かを忘れて走って行くよ



泣いた日を忘れなければ

あの流れには着いていけない

当事者

置いてけぼりの事柄は

数千 数万の目に

裁かれて行く

先には何も無い

見つからない

傷つくことを

不自然にしたのは誰だ



たわいない馬鹿話が

ふわり 過ぎ去れば

馬鹿にした話に変化する

僕等は常に

変化を期待しては

センセーショナルな話を

宝石のように探し歩く

身に着ける訳でもなく

置いてあることに安堵して

何も持たない人間になれば

全く覚えていない

そんな勧善懲悪な物体でも



定食屋のカウンター

隣に座ったおじさんは

店主とたわいない話

日常が転がっているけれど

安堵する

好きなラジオを聴きながら

箸を進める昼休みは

丁度良い散歩のリズム

スマートフォンには無いから

知らないふりをした



楽しい日を忘れなければ

あの流れには着いていけない

観覧者

胸 高鳴らす事柄は

数千 数万の目に

品定めされていく

先には何も無い

見つからない

傷つくことを

不自然にしたのは誰だ



裏側の仕組み

本当の話

理解したら不自然だった

いつの間にか現れる

感情の代弁者

同意する表現者

上陸させない暴漢者

無くなった物は自然体

本当の形と

自意識過剰と我儘

言われて当然と

個人の価値観

ただの甘えに

踏ん反り返りながら

権利を振りかざす

未熟でもなく

成熟もしていない

不明確でありながら

存在は明確



傷つくことを

不自然にしたのは誰だ

埋もれてしまっている悲しみに

思想と立ち位置で絡み付きながら

誰かの自然体を壊していく

傷つくことを

不自然にしたのは誰だ


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― 新着の感想 ―
[一言] 汚れっちまった悲しみに・・・ なんて、中原中也の言葉が、胸の内を ひらりと通過。
2018/11/08 17:21 退会済み
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