後編
それから。
私は他人を信じなくなった。
前よりもっと壁を作って。
高校では、だれともしゃべらなかった。
一人で。
ずっと、一人。
そんな時転校生が私のクラスに来た。
真っ黒な髪をした、女の子。
その子の名前は黒崎。
自己紹介はいたってシンプル、名前とお願いしますの一言だけ。
笑顔も見せず。
その子の席は、私の隣だった。
休み時間になると、当然その子の周りには人が集まる。
その人の中の一人が、こういった。
「クロサキさんも、大変だね。化け物の隣じゃ。」
周りの人たちは笑う。
共感して、笑った。
でも、その子はわらってなかった。
みんなが笑う中。
ただ一人、笑わず。
「なにが面白いの?」
笑っていた人たちが、しんとする。
「隣の子、いじめてんの?」
別に、そういうわけじゃ、なにこいつ、周りの人たちはぼそぼそという。
その子はまっすぐ前を向いていた。
「高校生にもなって、そういう事してるあんたらのほうが、よっぽど面白いけど。」
それから、クロサキさんに声をかける人はいなかった。
別に私はいじめられてない。
クロサキさんも、いじめられてるわけじゃない。
でも。
クラスとは壁があった。
それはもちろん、私と、クロサキさんとの間にも。
高校に入ってから、私はグループで何かする授業は休むか、保健室にいる。
わたしをグループに入れてくれる人たちなんていないし、入りたくもない。
あくまで入るのは私じゃない。
名前だけ。
でも、クロサキさんは違った。
名前だけなのは変わらなかったけど、ちゃんと、そこにいた。
はぶられても、ひとりでも。
体育のペアは、いつも先生としてるし、
そのほかも、全部、いた。
私とは、違った。
「ねぇ、明日の体育、出てくれない。」
突然のことに驚いた。
声をかけられたことにも。
かけられた内容にも。
「…なんで。」
私は目を合わせずに答える。
「ペア組むやつがいないからじゃん。明日、先生出張らしいから、おっさんなんだよね。それはあたしも嫌だからさ。」
クロサキさんはこっちを向いて、はっきりとしゃべってくる。
それを私は、目を合わせずに、答える。
「…休めばいいじゃん。」
「休めないからお願いしてるんじゃん」
「なんで。」
「…単位…」
「え?」
「…休んだら単位なくなって進級できないの!」
少し照れた顔で言うクロサキさんが、おもしろくて。
「…あはは!なにそれ。しょうがないなぁ…」
「!!」
驚いたような嬉しそうな顔をするクロサキさん。
「…なんだ、笑うんじゃん、シロサキさんも。」
「……」
笑ってた。自然に。
私、まだ笑えるんだなぁ、って。
その時気づいた。
結局私は、人と壁作って、傷つかないようにしてるだけ。
いわば、ふり、だけ。
なみだが出そうになったとき、クロサキさんが一言いった。
「あたしはきれいだと思うよ、髪。」
クロサキさんになら、だまされてもいいかな。
もうあんな思いしたくないけど。
クロサキさんは、そんな人じゃないって。
また、信じてみようかなって。
そう、思えたんだ。
「…ありが、とう…」
それからクロサキと私は一緒にいることが多くなった。
今思えばあっさり壁こわしたなー、て。
結局私はほしかったんだよね。
友達。
信じれる人。
「シロサキ!何してるの、はやく。」
私は、少し笑って、返事をする。
私は、白色が、少しだけ好き。
黒色は、もっと好きかもしれない。
読みづらかったら本当にすみません。
呼んでくださってありがとうございます。
誤字脱字は報告してくれるとうれしいです。




