エピローグ
台風の来たあの日、部長と別れた後、父の車で灯希と交綾に会いに行き、事の顛末を話した。
二人ともショックを受けている様子だったが、すぐに前を向いた。
それは、みんなが同じ思いならまた必ず会えるという、部長のあの日のあの言葉を信じきることこそが、その言葉を真実の言葉にする方法である事を、理解していたからだ。
約束の日、学校はいつものように始まって、いつものように終わった。
部活の時間も、四人ともその話に触れる事無く、普段の部活のままに終わった。
そして俺と灯希と交綾は待ち合わせて、○×山へと向かった。
木村くんから聞いていた、南の空を一望できる場所。そこには、星空のパノラマが展開していた。
「やぁ、集まっているね」
近くの駐車場の方から、部長が現れた。
部長は俺たちの前で足を止め、いつもの調子で言った。
「次の部長は、好夜くんだ。君なら出来ると信じてるよ」
部長はそう言うと、握手を求めてきた。俺はその手を取り、
「期待を裏切らないように頑張ります」
と言った。
君たちも、と、部長は灯希と交綾とも握手を交わし、南側へと歩いた。
「じゃあ、君たちがボクと同じ気持ちで居てくれるなら、また、会おうね」
部長が言うと、辺りが光に包まれ、いつの間にか、部長は消えていた。
南の空では、山羊座が静かに門を開いていた。
次の日、北山先生が亡くなった事をうけて、学校は大騒ぎになっていた。
数日の間、北山先生の受け持っていた担任や授業などは手の空いた先生が行い、程無くして臨時教員がやってきた。
臨時教員が来るまで部活は休みとなっていたため、久しぶりに部室へと入った。
三人でいつもの席に着いてみたが、やはりどこか寂しかった。
ふと、部長の席を見遣ると、積んである本の変化に気付いた。いつも海の本を読んでいたはずなのに、いつの間にか、星の本ばかりが積まれていた。
そういえば、いつの頃からか星座の神話などに詳しくなっていたような。部長の好みに影響を与えていたとしたら、ちょっと嬉しい。
「ねぇ、机にこんなの入っていたんだけど」
そう言って交綾が見せた紙には、『三厩さんへ』と書かれていた。
慌てて机を探ると、『好夜くんへ』と書かれた手紙が出てきた。灯希も、同様の物を見つけたようだった。
どうやら、部長が俺らへ宛てて遺した手紙のようだ。
俺への手紙は『私よりもたくさん長生きしてね』という一文から始まり、アドバイスや感謝の言葉がびっしりと書かれていた。
手紙を黙読している二人に目を向けると、交綾が時折、灯希の方をちらちらと見ていた。なにかしらそのようなことに関するアドバイスが書かれていたのかもしれない。
そして、灯希の方も、ちらりと交綾を見遣り、二人の目が合った。
三人の部活で二人がくっついちゃったら、俺がちょっと居づらくなりそう……。
「新部長!これからの部活はどのようにしましょうか!」
目が合った恥ずかしさからか、交綾が唐突に話を振ってきた。
「とりあえず、新入生が来たら、部員は増やそう」
自分の為であったが、二人はやる気満々だという風に捉えてくれたようだった。
正直、今でも俺が新部長というのは不安でいっぱいだ。
だけど、部長からの手紙の文体を見て、部長が俺を受け入れてくれているような気がした。
それだけで、頑張って生きて行くには十分だった。
初めての連載で、とにかくしっかり完結させよう、というのが第一の目標でした。
中身に関しての目標は、明るくポップな青春アニメ風という感じで頑張ってみました。
まだまだ書き始めたばかりで、文章や表現等、拙いところばかりだと思いますが、最後まで読んでくれた方が居りましたら、ありがとうございます。
感想やアドバイス等もいただけたら嬉しいです。




