『モッ君』!?そのあだ名はハードルが高すぎる
今回、目に留めていただきありがとうございます。
気分転換に
日常的あるある!?エピソードをと
投稿しました
1分2分で読めるので
マッ◯並んでる合間やトイレ休憩や
エレベーター内でもサクッとポキっと読めると思います
今回も
やはりエタりやすいので
短編です
よろしくお願いします
『モッ君』!?そのあだ名はハードルが高すぎる
「おはようございます! 今日から配属になりました、佐藤沙織です! よろしくお願いします!」
朝礼後、新人の佐藤沙織が俺のデスクに勢いよく駆け寄ってきた。
「あのぉすみません、担当の権田原先輩ですよね?」
「え、ああ……権田原元成です。よろしく」
「ですよね……今日からよろしくお願いしますモッ君先輩」
オフィスが一瞬で凍りついた。
背後で田中さんが「プッ」と吹き出し、島田さんがキーボードを叩く手を止める。周囲の視線が一斉に刺さる。
「……佐藤さん、今なんて言った?」
「え? 元成の『元』でモッ君先輩です!」
彼女は首を少し傾げて、無邪気な笑顔を浮かべる。
木村課長が遠くからニヤニヤしながら「まあ、権田原が良ければいいんじゃないか」と流した。
それが、地獄の始まりだった。
三日後。
「モッ君、この資料の数字合ってるかな?」
「モッ君、先輩の分もコーヒー買ってきて〜」
「ちょっと待って! だから権田原って呼んでくれって!」
「えー? もうみんな呼んでるし、いいじゃないですかぁ。モッ君先輩」
佐藤は俺の抗議を軽やかに受け流す。
田中さんがため息をつきながら言った。「まあ、その顔で、モッ君はな……」
島田さんが小さく呟く。「気にしすぎだって、ぷっ」
「……」
周囲は次第に冷ややかになり、俺の抗議をスルーするようになった。
そんなこんなで
一週間後の昼休み。近くのカフェにて。
「モッ君先輩〜! 何にしますか? 私、モッ君先輩おすすめのやつにします」
店内に佐藤の声が明るく響いた。
並んでいたOL二人組が「え……?」と振り返り、大学生風の男が吹き出しそうになる。店員さんまで一瞬手を止めた。
俺は顔を真っ赤にして小声で必死に食い下がる。
「佐藤さん……! 店の中では普通に呼んでくれってば……!」
「え? あ、すみません! でも気にしすぎですよ」
佐藤は口元を隠して小さく笑う。その瞳の奥に、冷ややかな愉悦がチラリと見えた。
帰り際、エレベーターでたまたま一緒の時
「モッ君先輩、今日も一日お疲れ様でした」
「……佐藤さん。頼むから、これからは普通に権田原って呼んでくれ」
佐藤は少し目を細めて、甘い声で囁いた。
「ふふっ、モッ君先輩……自意識過剰系ですね」
「自意識過剰って……」
「では、お先失礼しますね!」
佐藤は笑顔を浮かべたまま、エレベーターの扉が開くと軽やかに降りていった。
俺は悟った。悪意あるよぁ、しかしこのあだ名は、もう一生剥がれない。
権田原元成という名が消えた。残されたのは「モッ君」という、イメージのハードルが高い記号
廊下を歩きながら、
本人にしかわからない悪意だろと思い
小さく呟いた。
「……やだなぁ」
最後まで読んで頂き
本当にありがとうございます
嬉しいです
反応などありましたら嬉しいです
よろしくお願いします




