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episode1

前作人狼ゲームSoulに関連する内容が若干含まれますが、前作を読んでない方も問題なく楽しめますのでこの先へ是非お進み下さいませ。

season2 episode1

深夜二時。

招待状に記されていた田舎のバス停は、街灯もまばらで、人の気配がまるでなかった。


夜風の冷たい風だけが、やけに肌と耳につく。


俺は腕を組み、時刻を確認する。

約束の時間ちょうどだった。


その瞬間、

闇の向こうからエンジン音が近づいてくる。


黒い車だった。

無駄な装飾のない、威圧感だけを纏った車体。


停車と同時に、ドアが開く。


全身黒づくめの男たちが、無言で降りてきた。


「……クジョウ・レン様ですね」


低く、感情のない声。


胸の奥で、心臓が強く脈打つ。

恐怖がないわけじゃない。

だが、それ以上に――怒りが勝っていた。


「あぁ」


俺は視線を逸らさずに答える。


「言っとくけど、俺は復讐しに来ただけだ」


言葉にすると、

身体の奥から熱が湧き上がる。


今すぐ、この場で殴りかかりたい衝動を必死で抑えた。

でも、それじゃ意味がない。


根本から、全部潰さないと。


「参加の理由は、なんだって構いません」


男は淡々とそう言い、

次の瞬間、俺の頭に布袋が被せられた。


視界が、闇に閉ざされる。


誰かに腕を掴まれ、

そのまま車内へと押し込まれた。


走行音が、長く続く。


時間の感覚が、曖昧になる。

不思議と、恐怖は薄れていった。


――戻れない場所に、もう踏み込んだ。

そう理解したからかもしれない。


やがて、車は止まった。


布袋が外される。


そこにあったのは、古びたホテルだった。

かつては賑わっていたのだろうが、

今はただ、時代に取り残された箱のような建物。


中へ連れて行かれ、

多目的スペースと書かれた広い部屋に通される。


そこで、俺は状況を理解した。


床には、男女が倒れている。

気絶しているようだ。


数える。


――八人。


そして、俺と同じように立っている人間が五人。


俺は、その中の一人に目を留めた。


ブロンドヘア。

俺と同じくらいの身長で、

モデルのように整った体型の女性。


落ち着いた表情で、

こちらを観察するように見ている。


「貴方も……あのビデオを見て、参加を決めたの?」


静かな声だった。


「そうだ」


俺は短く答える。


「最初に死んだギャルの、従兄弟だ」


その言葉を聞いた瞬間、

彼女の表情が、ほんの少しだけ曇った。


「……そう」


同情とも、諦観とも取れる一言。


その背後から、

小柄な女子が、恐る恐る前に出てきた。


マッシュヘア。

制服姿から、まだ学生だと分かる。


「つまり……復讐をしに来た、ってことですか」


胸の前で指をもじもじと動かしている。

明らかに気が弱そうだった。


「あぁ」


俺は視線を二人に向ける。


「あんたたちも、あのビデオに関係してるんだろ」


二人は、小さく頷いた。


先に口を開いたのは、小柄な女子だった。


「わたし……お兄ちゃんが、このゲームで死にました」


一度、言葉を切る。


「占い師でした」


声は震えていたが、

目だけは、はっきりと前を向いている。


「でも……お兄ちゃんの親友だった人が、生き残ってくれたんです。だから……」


拳を握りしめる。


「わたしが、このゲームで生き残って……お兄ちゃんの代わりに、彼を救いたい」


弱々しい声なのに、

そこには確かな覚悟があった。


――悪い子じゃない。

むしろ、真っ直ぐすぎる。


「……あんたは?」


俺は、長身の女性に視線を移す。


彼女は、ふっと笑った。


「私、もう三十八よ。お姉さんって歳じゃないわ」


「そうか。若く見えたんで」


思ったままを言うと、

彼女は一言、「ありがと」と返した。


そして、少しだけ声を落とす。


「私の子が、一人……このゲームで生き残ったの」


胸の奥が、ざわつく。


「双子の弟の方。私は……息子を救いに来たの」


その瞬間。


俺の中で、何かが音を立てて崩れた。


――こいつの、子供に。

――俺の従兄弟、ナツキは殺された。


喉の奥に、どす黒い感情が込み上げる。


――こいつさえ、いなければ。


ナツキは、生きていたかもしれない。


「……そうか」


俺は、何事もなかったように答えた。


感情を殺す。

今は、まだだ。


その後、簡単な自己紹介が続く。


双子の母はマナミ。

小柄な女子学生はメイ。


金銭目的で参加した、眼鏡のサラリーマンのヒロシ。

娘の医療費のために来た、褐色肌の工場勤務の男、タケル。


「あん?俺?面白そうだから」


そう言って笑う、

目の奥がどこか壊れている男――ミヤセ。


そして、その時だった。


「は? なにこれ! いや!!」

「おいおい、ふざけんなよ!」


次々と、床に倒れていた人間たちが目を覚ます。


赤毛の女子高生。

銀髪の、夜の仕事をしていそうな男。


肥満の男、歯並びの悪い男。

教師、骨と皮だけのような男。


そして――

アイドルと、プロゲーマー。


叫び声と怒号が、部屋を満たす。


収拾がつくはずもなかった。


その時。


多目的スペースの奥。

壁に設置されたモニターが、低い駆動音を立てる。


画面が点灯し、

無機質な文字が映し出された。


〝今から、人狼ゲームを始めます〟


その文字を見た瞬間。


胸の奥で、何かが静かに固まった。


逃げ場はない。

後戻りも、もうできない。


――ここからは、俺が選ぶ番だ。


殺される側じゃない。

見ている側でもない。


復讐する側だ。


♂レン 20歳

従兄弟のナツキが人狼ゲームによって死亡したことをキッカケに自らゲームに参加する。優秀な頭脳と恵まれた容姿を持つが医者の息子で将来を期待されており気に病んでいる。


︎︎♀マナミ 38歳

マナト、マヤの実の母親。息子を取り戻す為に参加する。高身長の美人で長いブロンド髪が特徴。


♀メイ 17歳

ソウタの妹。人狼ゲームでソウタを失ったが、生き残った1番の親友を人狼ゲームから解放するために参加する。


♂ヒロシ 33歳

平社員。金銭目的で自ら参加するが肝心な時にへまをこぐことが多い。


♂タケル 33歳

娘の医療費を手にする為に自ら参加する。

工場勤務の褐色男性。


♂ミヤセ 18歳

頭のネジが飛んでいてサイコパス気質。

人をよく煽る。頭がいい。楽しそうという理由だけで自ら参加する。


♂タクミ 25歳

銀髪のホスト。拉致によって強制参加。


♀キョウコ 18歳

気が強いが感情的な女子高生。拉致によって強制参加


♂トミタ 45歳

骨と皮の痩せ細びた男性。常に冷静である。拉致によって強制参加。


♂キヨシ 38歳

教師。ガタイが良い。


♂トヨシマ 22歳

イケメンプロゲーマーで界隈では知名度が高い。

人狼ゲームに詳しい。拉致によって強制参加、


♂ヤマダ 20歳

肥満男性。拉致によって強制参加。


♂ハナダ 21歳

歯並びが悪い。拉致によって強制参加。


♀ミユキ 22歳

売れない地下アイドル。拉致によって強制参加。

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