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割れた絆の果てに
瘴気が渦巻く戦場。剣と魔法がぶつかり合い、激しい音が轟く中、ソフィアとレイは刃を交えながら言葉を交わした。
「なぜ、こんなことをするんだ、レイ!」
ソフィアの声は必死だった。彼の冷たくなった瞳を前に、まだ信じていたい気持ちが揺れていた。
レイが鋭い一閃を放ち、ソフィアはかろうじて受け止める。
「答えは簡単だ。お前たちは俺の家族を殺した“人間”だ!」
怒りに震えた声が響く。
「違う、レイ! 」
ミカが叫びながら残火を解放する。
レイは身を翻し、攻撃をかわしながら言った。
「もう嘘は聞きたくない! クラヴィスが見せてくれた“真実”は、俺の家族を人間が殺したってことだ!」
「それは間違いだ!」
ソフィアはレイの腕を掴み、剣の刃を彼の喉元に押し当てる。
「君は真実を知らない。家族を殺したのは人間なんかじゃない!」
「黙れ!」
レイは怒りで震え、ソフィアを突き放す。剣を振り下ろす。
互いの剣が激しくぶつかり合う。
ソフィアは心の中で誓った。
「レイの中にまだ光はある。絶対に諦めない」