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残火のソフィア  作者: 結城 漣
残火のソフィア ―絶望の檻 編―
13/25

【裏切りの火種】

激しい戦いの余韻がまだ世界に残る中、レイの心は深い闇に包まれていた。


1ヶ月前、彼が守れなかった家族の死は、静かに、しかし確実に彼の心を蝕んだ。

妹のリアをはじめ、すべてを失った喪失感は、彼の胸に冷たい刃となって刺さり続けていた。


「俺は……何もできなかった」


孤独な夜、レイは荒れ果てた村の跡地で、冷たくなった家族の面影を思い返していた。


「もう、守るものはない。俺が信じたものも……」


過去の誓いも、仲間との絆も、今は遠い幻のように揺らいでいた。


そんな時、闇の中から低く囁く声が聞こえた。


「レイ……お前の苦しみ、我らは知っている」


七魔帝の一角、クラヴィスの影が現れる。冷酷な微笑みを浮かべながら、彼は誘惑する。


「お前の心の焔を我らの力に委ねよ。失ったものはもう戻らぬが、その力で世界を壊し、復讐を果たせる」


レイの瞳に、怒りと絶望が燃え上がる。


「……それは、仲間を裏切ることになる」


「仲間か……裏切ることが者など、人間にはいないだろう」


クラヴィスは冷たく嘲笑った。


葛藤の中、レイは過去の記憶に揺れる。

ソフィアの優しい笑顔、ミカの励ましの言葉。


しかし、胸の奥で燃える喪失の痛みは、彼を離さなかった。


「俺は……人間に裏切られたんだ、だから……」


決然とレイは答えた。


「契約する。絶望の力を、俺にくれ。もうなにもかもどうでもいい。」


闇に赤い魔法陣が浮かび上がり、彼の身体を包み込む。


冷たい力が、彼の内に染み渡った。



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