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第1章 – 新たなる運命の亀裂

初めまして、読者の皆様!


この作品『クロノソウル:時を越える魂』は、時間を操る少年と、異なる時代や世界から来た少女たちとの運命的な出会いと戦いを描いた物語です。


第1章では、不安定になり始めた世界での最初の“亀裂”と、新たなヒロインたちの登場が描かれます。


少しドキドキする展開と、少し不思議な関係の始まりをお楽しみください!

【第1章 – 新たなる運命の亀裂】


 エラリオンの空は、かつてないほどに不安定だった。紫緑の稲妻が走り、空気にはひび割れのような亀裂が浮かんでいた。

 記憶の塔の頂上で、カエル・ヴィレルは息を切らしながら、その異変を見つめていた。


「時間の裂け目……か。」


 背後から静かな足音。銀髪の少女、リラが現れる。黒いローブが魔力の波で揺れていた。


「感じる? あなたのクロノソウルが、この現実に共鳴してる。」


 カエルは目を閉じた。異世界エラリオンに来てから、すでに一ヶ月。リラとの訓練、時の魔獣との戦い、そして少しずつ変わってきた感情。


 だが、今日の空気は…違った。重く、深く、予兆のように。


 突如、塔の内部から鐘の音が鳴り響いた。フェンが背後の扉から飛び出し、尻尾を揺らしながら叫ぶ。


「カエル! 時間結界を破ろうとしてる奴がいるよ!」


 リラがすぐに魔法の盾を展開する。「どこから?」


「時空の歪みだ…別次元から来てる!」


 三人は塔を駆け下り、庭へと向かった。空間の中心に、小さな渦が出現し、そこから…少女が落ちてきた。


「うわっ!?」


 カエルと少女は草の上に倒れ込み、顔が数センチの距離に。赤い瞳の彼女が目を見開いた。


「な、なによこれ…!」


「…俺のセリフだよ…!」


 パチン!


 少女が軽く胸を叩きつけて立ち上がる。「変なところに落ちたじゃない!」


 リラがすぐに詰め寄る。「あなた、何者?」


「私はアヴェリア。南次元の時間管理チーム所属。歪みを追ってきたの。…あなたがカエル・ヴィレルね?」


 カエルが頷くと、アヴェリアは顔を赤らめながら近づいた。


「思ったより…普通の人間っぽいのね。」


 リラが彼女の前に立ちはだかる。「簡単にカエルに近づかないで。」


 アヴェリアが手を腰に当てた。「私は落ちてきただけよ! そっちこそ何者?」


「私は彼の訓練パートナー兼守護者。」


 フェンがヒュっと口笛を吹いた。「ふふ、におってきたね、女の子バトルの気配~」


 その時、空間に光が揺れ、一本の木から女性が現れた。金髪に紫の瞳、不思議な気配を漂わせていた。


「争ってる場合じゃないわよ。」


「…あなたは?」カエルが訊ねる。


「エリス。第三世代の時間預言者。」


 夜、塔の観測室に集まった四人。リラは巻物を読んでおり、アヴェリアは落ち着きなく歩き回り、エリスは窓から外を見ていた。


「あなた、自分が何を呼び込んでるか分かってる?」エリスがカエルを見つめて呟いた。


「クロノソウルが動くたび、世界は少しずつ歪むの。」


 カエルは沈黙した。心の奥に、引き裂かれるような感覚が残っていた。


 突然、爆発のような閃光。彼とエリスは床に倒れ、彼女が彼の上に乗るような形になった。


「うっ…」


 エリスが目を細めて微笑む。「優しい顔ね。」


「…降りてくれる?」


 リラが即座に近寄り、アヴェリアは顔を背けて「な、なにしてるのよ、あの予言女!」


 その後、フェンが新たな情報を持ってきた。


「北の空間で大規模な歪み発生中。エネルギーを吸い込んでる。」


 四人はすぐに出発。道中、リラはより無言に、アヴェリアは何度もつまずいてカエルにぶつかり、エリスはカエルの耳元で謎めいた言葉を囁いた。


 遺跡に到着した一行の目の前に浮かぶ古いカプセル。その中には、若いカエルと、顔がぼやけた少女の写真が。


「これ…未来の記憶?」


「もしくは、もう失われた可能性。」とリラ。


 その時、現れた仮面の人物。


「フラグメント―運命の破壊者だ。」


 彼の言葉に凍りつくカエル。「お前が…?」


「クロノソウルは、お前のような器には相応しくない。」


 戦闘が始まり、リラは善戦するが力及ばず。カエルがクロノソウルを発動するも制御不能となり、全員が時間の波に飲み込まれる。


 カエルとアヴェリアは、次元の隙間に落ちてしまう。


 光も影もない空間。二人だけの世界。


「まあ…一緒に閉じ込められる相手が君なら…悪くないかも。」


「なんだよ、急に。」


「…今は、黙って隣にいなさい。」


 数時間後、フェンが救出に現れるも、カエルとアヴェリアの間には微妙な空気が残っていた。


 塔に戻った夜、カエルはバルコニーで空を見上げる。


「一ヶ月前は、ただの学生だったのに…今は、時空の希望だなんて。」


 フェンが肩に乗ってきた。


「しかも女の子たちの希望も、ね?」


 カエルは笑った。


「それが一番、難しいんだよ…」


【つづく】

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


カエルの周りには、なぜかどんどん個性的な女の子たちが集まってきますね…?

時間が歪み始める中で、彼の「クロノソウル」は何を呼び起こすのか。


次回、第2章「二つの運命の狭間での追跡」では、もっと深い謎と関係が動き出します!


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