緊急指令
1960年4月30日 午後15:00
日本人民共和国首都札幌郊外
反乱軍アジトにて
「…まぁ作戦としてはこんなもんかな。」
「そもそも物資も情報も何もかも不足してますしこれ以上考えてても時間の無駄でしょう。」
「…なぁ一応今日も聞くけど俺に拒否権は…」
「「あると思ったか?」」
「ですよね…」
「じゃぁ明日あたりに早速作戦開…」
「どうした?」
「いや、本国からの通信が入ったみたいだ。
伊黄、ちょっと出てってくれるか?」
「わかった。」
「で、通信って何ですか?」
「まぁ待てよ。…はい。ええ、こちらは順調ですよ。
はい。え?それ本気で言ってます?はい。はいはい。
あ〜はいわかりましたクソッタレが!」
「…何でした?」
「千歳基地への潜入は中止だ、荷物をまとめろ。」
「え?どこか行くんですか?」
「軍の奴らが一刻も早く前線の敵部隊の数、質、種類を知りたいらしくてな。俺等に前線を敵地側から偵察しろだってさ。」
「はぁぁぁぁ!?」
「と、いうことで次に俺たちが向かうのは、
愛知県だ!」
1960年5月1日 午前11:00
日本人民共和国首都札幌郊外
「よし、準備できたな。」
「いつでもいけます、隊長。」
「じゃぁ行こうか。」
「「伊黄重火君。」」
「何でだよぉぉぉぉ!!!
千歳基地潜入までならまだわかるが、何で愛知まで付き合わなきゃならないんだよ!!」
「まぁまぁ、いいじゃないか、俺たちの仲だろ?」
「そうよ、重火君。ほら、ついてきたら特別にサービスしてあ・げ」
「ゴリラのサービスはいらん。」
「ゴwリwラw」
ドン!!!!!
「「スミマセン」」
「そ、それでどうやって行くんだ?」
「船は潜入の時に使ったし、飛行機はチェックが厳しすぎて論外、となると車か列車だが、今回は車を使う。」
「車なら反乱軍でも用意できるな。」
「じゃぁ車の引き渡し地点まで向かおうか。」
1960年5月1日 午後14:00
日本人民共和国北海道函館市
「雪の進軍氷を踏んで♪」
「どーこが河やら道さえしれず♪」
「車壊れる頭抱える♪」
「「「此処は何処ぞ皆敵の国♪」」」
「「「ままよ大胆一蹴りすれば♪」」」
「「「うんともすんともならなくなった♪」」」
「「「…………………」」」
「どうすんだよこれ!!!」
「知るか!こんなポンコツ貸すからこうなるんだろうが!」
「ポンコツとは失礼な、準備してやっただけでも感謝しろよ!大体お前の運転が荒すぎるから壊れたんじゃないのか?」
「まぁまぁ二人共落ち着いて…」
「「とどめ刺したやつは黙ってろ!!」」
「………」
「はぁ…で実際ここはどこなんだ?」
「さっき通った街からして、そろそろ函館市には入ったんじゃないか?」
「じゃぁ津軽海峡まで歩くか。どのくらいかかるんだろ…」
「まぁないものねだりしてもしゃーないしな。」
「よし、二人共とっとと荷物持って出発するぞ」
幸先の悪い移動となった。