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大日本内戦  作者: あかさ
11/11

旧国境

1960年5月2日

日本人民共和国福島県

「さて、こっからが問題だな。」

「どうやって国境を越えて行くかだよな…」

田宮達は、難問にぶつかっていた。

いくら人民軍が占領しているとはいえ敵の領土、そう簡単に潜入はできないだろうと思っていたのだが…


日本人民共和国占領下群馬県片品村

「…なんかしれっと入れちゃったんだけど。」

何故か軍が全くいなかった福島と群馬の境界を越え、占領下の都市への侵入に成功した田宮達。

「まぁ簡単なのに越したことはないんじゃないですか?」

「しかしこうも敵がいないと罠か何かだと勘ぐっちゃうね。」


日本人民共和国占領下群馬県前橋市

「杞憂だった。マジで敵がいねぇ。」

「ここ県庁所在地だよね?

何で敵がまったくいないの?」

「前線が厳しくなったとかじゃないの?」

「…まぁいいや取り敢えず今日は一旦ここに泊まるとしよう。」

そうして手頃な場所を探す田宮達だったが、

「奴等まだ気づいてないようだな。」

それを追う影が二つあった。

「あぁ、これはいい機会だ、しかし本当に怪しい奴らがいるとはな、福島との境界を何の疑いもなく通ってきたこともあるし、あいつらただのバカな一般人なんじゃないか?」

「そうにせよ違うにせよ、俺達に与えられた命令は、怪しい奴らは、即刻殺すことだ。ここもまだ占領から3週間と経っていないしな。」

「じゃぁ今日の夜にでも襲うとしようか。」

そう言うと二つの影は街の雑踏へと消えていった。




東京ほどの激戦地ではなかったことと、皮肉にも日本国が対した抵抗もできず撤退、殲滅されていったために小規模な戦闘しか起こらなかった群馬は、ほとんどの場所がほぼ無傷で残されていた。(もちろん軍事関連の施設はそのほとんどが破壊されていたが。)

そのため占領下にあるということ以外はいつもと変わらず、それどころか、端っこの田舎のあたりではそもそも占領下にあるということにさえ気づいていない人も多いという始末だった。

ただし、反体制、反共産的な人間は軒並みどこかへ連れて行かれていた。

そんな群馬県の前橋市郊外にて、

ダダダダダダダダダダ

銃撃戦が発生していた。

「チッ、どっからでてきやがったこいつら。」

「さあな、案外群馬に入った時から既に目つけられてたかもな。」

最初は逃げ回っていた田宮たちも相手の執拗な攻撃に対しやむなく反撃を行なっていた。

「あーもうじれったい。」

「なんだそれ?」

「少し古いけど便利なやつよ。」

そう言って鈴谷が取り出したのは、

「十年式擲弾筒かよ、よく見つけたなそんなの。」

十年式擲弾筒、大日本帝国が開発した最初の擲弾発射器である。

「火力は正義よ。」

そう言って放たれた弾は、

…ものの見事に見当違いのところへ着弾し、爆発を起こした。だが、

「敵が動揺して下がったぞ今のうちに全力で逃げろ!」

「「了解!」」

その後も何発か擲弾を発射した後に追っ手を完全に撒くことに成功した。

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