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1.最初のお便り「低ポイントでも書籍化できます」

これは、2023年4月25日に第一巻が刊行された「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」の発売に際してお便りオーナーに寄稿したものです。

本分に記載していた書籍情報については、削除致しました。


 はじめまして、東吉乃あずま よしのと申します。


 この度、4/25に「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」が、オーバーラップノベルスfさまより刊行される運びとなりました。


 本作は第8回オーバーラップWEB小説大賞で銀賞を頂いた作品ですが、他の書籍化作品とは少し異なる特殊な状況での受賞・書籍化でした。書いているけれども読まれなくて辛い思いをされている作者さまのご参考に少しでもなればと思い、刊行記念も兼ねてご報告させて頂きます。

 主題は「低ポイントでも書籍化できる」ということです。

 ただし「書籍化するために書く」方より、「書きたくて書いている」方への方法論、メッセージとなりますので、ご了承くださいませ。


 さて、この小説家になろうというサイトにて、書籍化に必要なものとして最もよく語られるのは、「ポイントの高さ」かと思います。

 統計を取ったわけではありませんが、お便りで他の先生方から語られる頻度も高く、また、エッセイなどでもそれらは散見されます。他にも毎月のようにタイアップされる色々な小説賞、それらの受賞作のポイントを確認すると、数万ポイントは当たり前の世界。一万ポイント以下の作品などほぼなく、希少種であると言えるでしょう。

 これは、ほとんどの作者さまにとって絶望的に高い壁だと思います。

 たとえば連載作品であっても数十、数百ポイント取るのがどれだけ大変で、かつ時間がかかることか。にもかかわらず、ランキングに乗ろうと思えばその倍、数百から数千ポイントを一日で稼がねばなりません。普通に考えたら、いえ、どう考えても凡人には無理です。

 かくいう私も、ランキングなど無縁の人間でした。

「打ち上がる」「駆け上がる」といった単語は異世界の言葉で、それも現在進行形です。


 冒頭でご紹介した「ドロップアウトからの~」については、完結した時点で4200ポイントほどでした。

 ちなみにこれは、六年半、百七万文字をかけての数字です。


 この数字を見てお分かりかと思いますが、「とにかく書籍化したい」方には時間も文字数もかけすぎですので、あまり参考になりません。いわゆるコスパ悪い、というやつです。

 にもかかわらず、なぜこれが書籍化できたのでしょうか。

 本作は不思議な作品で、投稿当初から爆発的にランキングを駆け上がることはないものの、更新するたびに少しずつゆっくり、亀の歩みですが読者が増えていく、そんな作品でした。どこかのタイミングで急に跳ねることもなく、かといって急激に読者離れが起こることもなく。

 おおよその体感ですが、序盤での更新タイミングだとアクセスは100あれば良いほうで、それ以下もザラにありました。終盤では400前後かな、という感じです。そして完結後もブーストなどせず淡々としていました。ご祝儀で、常連の数名の方から感想を頂戴できたこと、作者的には最も記念になって嬉しかったなあ、というところです。

 本作は完結後に小説賞へと応募しました。

 そして受賞が決まった後、ご担当の方にお伺いしたんです。「この低ポイントでなぜ受賞ですか?」と。誰より作者である自分自身が信じられなかったので、恥も外聞もなく単純にただもう疑問で疑問で訊きました。


 すると、「読んで面白かったからです」とのお答えが。

 さらには「連載中から拝見していました」と。


 書きたくて書いている人間にとって、これがどれほど嬉しい言葉か、作者の方ならお分かりかと思います。

 見ていますよ、見ていましたよ、と。直接声は届かなくとも、そういう方が必ずいてくれるということです。本作の辿った道筋は全ての作者さまに希望たり得る話でして、ランキングに載らずとも書き続けていれば読んでくれる読者は必ず存在するし、いわゆる評価ポイントが低くても書籍化への道は繋がっている、という紛うことなき事実を示しております。

 ポイントそのものは、面白さの絶対値ではありません。

 あくまでもそれは参考値であって、「低ポイントだから」書籍化できない、わけではないのです。

 では、低ポイントの作品群で、書籍化できるかできないかの分岐点はどこなのでしょうか。


 それは「存在に気付かれるかどうか」です。


 大多数の作品は、面白くないから読まれないのではなく、気付かれないから読まれないのです。こんな巨大な小説家になろうという場所では、ある意味宿命でさえあります。しかしそれは裏を返せば、読者はそこに必ず存在しているということの証左でもあります。

 読者に気付かれるためにはひたすら書き続けることが肝要です。

 一つの短編、一つの長編が日の目を見なくとも、新しい作品を生み出し続ければ、そこに必ず誰かが通りがかります。往来が少ないからといって駄目だとは限りません。どういう背景の方が読んで下さるかはそれこそ時の運、ひいてはご縁なのです。それを、六年半の連載かつ百七万文字の本作は証明したように思えてなりません。


 作者の方はどうか書き続けてください。いつか生み出した作品に陽が当たります。

 読者の方はどうか読み続けてください。あなたの存在が励ましとなり、作者に力を与え、やがて素晴らしい作品が世に生まれ出でます。


 尚、私は書き始めから最初の書籍化まで十六年かかりました。

 この最初の書籍化についてもちょっと特殊事例でお話したいことはありますが、長くなりましたのでそれはまたの機会に。


 尚、「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」の書籍版はウェブ版からかなり改稿しております。こういうレベル、内容で書籍化なんだなあ、というご参考にして頂ければ幸いです。


 東 吉乃

 

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