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開拓のアリカ  作者: 菊日和静
第二章 開拓士養成学校編
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第56話 教官の実力

半年以上執筆休んですみません。

仕事が忙しいのもありましたが、その他もろもろのやることがやってずるずる休んでました!

仕事・勉強・趣味・執筆とうまいことバランスとって時間を取りたいもんですね。

心臓がバクバクする。

死んだ。助けがなかったら間違いなく死んでいた。

とどめの一撃が一番油断に近いのは知っていたし、事実油断していたわけではない。


──あのくそ狼に完全にしてやられた!


内心で悪態をつくアリカ。

こっちを仕留めるために逆に自分の身を囮にしてアリカを誘い込んできたのだ。

首元まで剣で切り付けて深手を負ったとしても致命傷ではない。

狩りの駆け引きで相手に上回れた。まったくもって腹立たしく感じる。


「アリカ、反省はそこまでだ。そんでエバ、状況報告!」


アドレットの声に、アリカはハッとする。

そうだ。今はこんなことを考えている場合ではない。

危機はまだ去っていないのだから。


「敵は【泥塗れの狼(ルートムウルフ)】。エリック班が襲撃され、ボッシュとセネムに任せて避難中。私たちは足止め係をやっていますわ」

「数は?」

「確認した限りはこの一匹のみ。はぐれ個体と思われますが……」

「断定して油断しないのは良い心がけだ。俺もこいつ以外感知していない。まずはこいつを集中して叩くぞ。俺が前に出るからお前らはサポートを頼んだ」

『了解!』


端的な状況把握を済ませ、アドレットが風のように走り出す。

重量を感じさせない軽やかな歩法にて、【泥塗れの狼】を翻弄する。

アリカ達もアドレットと模擬試合をした時にこれにやられたのだ。

本当に風を掴むかのようにするりと抜けられ、まともな攻撃が一つも通ることがなかった。

しかも、【泥塗れの狼】によって地面はぬかるんでいて足を取られそうなのに、天歩によって足場を作り出すことで危なげさが一切感じられない。

【泥塗れの狼】が見失った瞬間には、すれ違いざまに足元へ剣を斬りつけ、細かいながらもダメージを重ねている。


──何もかもが遠いっ!


これが開拓士として活躍していた第一線級の人間の実力。

破壊力だけなら今のアドレットに勝るかもしれないが、それ以外は全て負けだ。

悔しいが今はまだ勝てない。

だから、今は自分のやるべきことを見定める。


「エバ!」

「わかっています!」


サポートは任せたとアドレットは言った。

ここで自分たち未熟者ができるサポートなんてわかりきっている。

アドレットの邪魔にならないようにすることか?

否。断じて否だ。

さっきまでと同じく全力で【泥塗れの狼】をぶった斬ることだ。

エバが霊球を展開して敵を牽制、アリカは一部の隙を見逃さず集中する。

そして、アドレットが一陣の風と共に駆け抜け【泥塗れの狼】の前足を斬りつけた


「今だアリカ! やっちまえ!!」

「うおぉぉぉぉ──────!!!!」


最大の好機を得てアリカは溜めていた力を爆発させた。

【泥塗れの狼】に向かって最短最速一直線に向かい、大剣を振りかぶり全力の一撃を繰り出す──


「──なんつってな」

「えっ!?」


寸前にアドレットが【泥塗れの狼】の横から首を刎ね飛ばした。

あまりにも呆気なく。あっさりと。

アリカすら驚きの表情で固まっていた。

【泥塗れの狼】は確かにアリカを警戒して備えていた。

そう、誰もがあの瞬間──アドレットを意識から外していたのであった。


「敵をだますにはまず味方から。はっ、俺が大した攻撃しないと見誤ったな?」


風の精霊術で軽やかに舞うように戦っていたアドレット。

その特性上軽くて速い攻撃をするものだと思っていた。

だが、そんなわけなかった。

アドレットの手に持った剣を見る。

そこには鋼でできた剣身から伸びた──薄く鋭い翠の刃があった。


「一丁上がりっとな!」


いつものように何でもない感じでアドレットは笑った。


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