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今日から学校と仕事、始まります。②莞

ちょっ、クレームぐらいちゃんとしてください!

作者: 孤独

「俺在宅してたのに、なんで不在票入ってんだよ。だいたいよぉっ!ポストに入れるくらいできないのか!あー、ムカついた!キレたろ!俺ならそれくらいできるっつーの!」


だいたいこーいうのはよくある事である。

7割ぐらい、在宅していたのは知っている。まぁ、トイレ入っていたり、丁度洗濯物を外で干してる作業中に訪れてしまうこともある。……今回のケースは、ヘッドフォン付けてて、大音量で曲なりなんなりを流したりしている時である。なんじゃないかな?


ピンポーン


「どーも。判子願いまーす」

「おい!あんた!!俺、いつも在宅してるって言ったろ!なんで不在票入れてるんだ!」

「毎日いるのは知ってるよ。出られないなら宅配BOXの購入か、希望時間帯のご連絡を勧めますよ。ご指定じゃないので、こちらで都合で来ます。これ判子かサイン必要なんで」


毎日のように居るのは知っているが、出て来ないのは耳につけているヘッドフォンのせいだろうなって。配達員は思っている。

怒っているため、サインも乱雑。

受け取った荷物を見て、お客様は。


「このくらいのサイズならポストとかに入るだろうがよ!!俺が入れてやるよ!見とけよ!」

「それは止めた方がいいですよ、ワレモノですし。厚さもそれなり。っていうか、向こうが判子で届ける荷物にしてるんだって」

「テメェみてぇな馬鹿だから!できねぇんだよ!!見とけ!!」

「ですから……」


普通ではないことが起こる事がクレームになる。

そーいう一時。



◇       ◇


『は?馬鹿なんですか?』


電話の相手はそう言った。配達員の山口は申し訳なさそうに言うが、ハッキリ言って迷惑しているし、その言葉通りなのである。

なんで俺が電話するの?それはお互い様に思っている。


「そのですねー……。いちお、ご確認なんですけど。お客様が出された物って、もう一回届けられるお荷物でしょうか?」

『いや、限定物フィギュアなんですから無理ですよ。嫁に売れって言われて、泣く泣く売った奴だし。向こうにも伝えたけど』

「そうですよね。箱ですし、品名もそう書いてましたから」

『届いたのは分かりましたよ。で、なんで?そーなったの?正直、状況が分からない……』

「お客様自身がポストに入るだろって、配達員に証明するためにその場でチャレンジしたんですよ。そしたら、無理矢理入れようとして、中の荷物とポストがぶっ壊れたんですよ。ちゃんと配達されたのに壊れてしまったんですってのは、間違いないんです。状況が分からないのは分かります」


…………


『いや、なんでお客様がそんなことしたの?俺、判子が必要な荷物にして、箱物にしてたじゃん。まず、ポストに入らないじゃん。入るサイズの家もあるんだろうけど、大切な荷物だからちゃんと渡すよね?お客様はなに考えてんの?』

「おっしゃる通りです。私にもそのへんが分かりません。ま、そのー、ちょっと、変というか。異常な方なんですよね。よく怒るんですけど、後先考えない以前の、思考のない方なんで」

『それは馬鹿な人にワルイなぁ。ネットでやってると、そこまで分からないから怖い』

「いや、こんな事例はほぼないですよ。絶対にないと思ってますよ!こんなこと!」


…………


『ま、分かりました。ところで向こうから、払い戻しとかの請求されてるんだよね。配達状況はそれで間違いないんですよね?』

「はい、間違いないです。こちらはしかと、対面でお渡ししてます。その時点で私達の取り扱いではなく、お客様の取り扱いとなるので、もうこちらとしては責任がとれません」

『うん。まぁ、例えば。届ける前に荷物壊れてたとしたら、あなた方に責任もありますけど。……そのなに?通知に書かれてるけど、ポストに無理矢理ぶっ込んで、ポストと品物が壊れて。両方の請求とか、メチャクチャな事書かれてるけど。無視するし、最悪裁判沙汰にするし。その時、証明してよ』

「はい!間違いなく」



正直、こーいう話を同じお宅で2度もするとは思わなかった。



『ただ怖いこと聞くけどさ』

「はい?」

『配達員が無理矢理ポスト入れる事例もあるじゃん。お客がそんなことするわけないじゃんって、常識的に考えたら、あんた達の方が疑われるよね?』

「そうです。はい。私共の方が疑われますが、この件に関しては100%、向こうがやっています」

『とはいえ、100%の証明はないんでしょ』

「そーですね。それがツライんですよね……常識に考えたら、ありえませんから……。この電話のやりとりそのこともありえませんからね」

『大変だね。ま、今回こちらも分かりますよ。ちゃんとそーいう証明書に向こうの判子もらってるんでしょ?それも確認したいな』

「はい!コピーもとってありますし、保管もされてます!配達の日時も記録されてます!大丈夫です!」

『うんうん。分かりました!じゃ、この件はこれで……』



ガチャッ


ツーツー……


「はー……」


受話器を置いた後、酷い溜め息をつき。


「なんでこんな意味不明なクレームに21:55まで対応しなきゃいけねぇんだよ!!」

「それ電話の相手も思ってる……」

「俺達まったくカンケーねぇのに!!」


送り主にも仕事があるので、平日だとこんな時間になるのも分かってしまう。

いや、自宅からかけているんだろうけど。

こんな時間にこんな電話するのはホントに可哀想である。


やりやがった人は何も知らないだろうけど。



これの笑えないところは過去にも同じ事を同じ方がやって、さらに同じ配達員が配達しているという事なんですよね。

イヤな運命を感じています。

自分を出禁にしてくれないでしょうか?お願いします。

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