魔女
初めましてになります。初小説です
完全創作の趣味に走りますが良ければ気長にお付き合いいただけると幸いです。
_________私は魔女だった。
親を殺し、片割れを殺し、処刑器具の前に立つ今も何故あんな事をしたのかわからない
1720年。私が13の誕生日を迎えた少し後の冬の日。
ストレスの捌け口にされていた私は人を殺していた
左手には銀に光るナイフ。先端は紅く染まっている
多量の血を浴びた私を見つけた村人達は私を魔女だと告発した
疑いようも無く、弁論の仕様も無い。凄惨な現場を見た判事は私に有罪判決を下す
「××××を魔女と認定し、刑を執行する」
死ぬことに恐怖を覚えきれない。震えはしても絶望感が訪れない。
嗚咽をあげて泣くことが出来ない。他の子はみんな出来るのに。私には、できない。
周囲を見回すと嘲笑する大人たち。彼らは思い思いの言葉を吐き出した
「こんな小さな子供が」
「なんて恐ろしい…」
「まさか魔女だとは…」
まるで劇でも観ている気分。足を踏み出して、また一歩
横目で見た時計の針は止まらない。地下牢へ幽閉される私は死ぬのを待つだけ。
心臓に空いた空洞は満たされる事は無いだろう。
この隙間を埋める存在を、私は自らの手で殺してしまったのだから