一人旅の午後
ゆらり蝶舞う
桜通り
流れる川と
唄いだせば
しるべのない時にも
流れが生まれる
舞う蝶を連れ
そっとステップ刻んで
歩く道は
雨上がりの少し光り輝いている桜道
空にかかる虹から
遠く見える山を覗いて
透明な空気を吸い込んだら
せーので駆け出した山の向こうへ
通り過ぎる景色に
さよならして
向かい来る風
呼び込んで
めくるめく
駆け出していく
汗ばんだTシャツ
ジュースで乾かして
握ったペットボトル
きゅっと頭にあてた
染みわたる涼しげな温度に
思いと靴ひも引き締まって
橋を越え
太陽を潜り抜け
走っていく
あてもない
一人旅の午後