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あとがき


【ご読了ありがとうございました】


 さて、この作品は、去年、大手出版社の主催する某ミステリ賞に応募し、箸にも棒にも掛からず落選したものを、ネット公開に際し、加筆修正したものです。


 ネット公開に踏み切ったのは、なんというか、まあ、それなりに丹精込めてつくった思い入れのある作品でしたから、このまま日の目を見ないのは忍びないと思ったからです。

 

 おそらくこれが自分にとって『最後のコンテスト応募作品』になりますので。


 決別の意味も込めて。


 そのような意味でも、重ね重ねになりますが、ご読了ありがとうございました。

 さすがに連載中、読んでくれる方が『0人』では、投稿し続けることが出来たかわかりませんでした(笑)

 終わりまで書かせてくれて、ありがとうございました。 


 




【以下、蛇足の『本作を書いた動機について』】


  

 まあ、ほとんど映画も観ない、小説も本格ミステリ以外はあまり読む人間ではないのですが、私が見聞きしたことのある、いわゆる『人工知能に管理された未来の物語』は、なんというか『住人』があまり幸せそうではない世界観というか社会形態が多くて(笑)


これは、ひとえに人工知能のデザインの問題ですよね?


「いや、本当にエネルギィや環境、災害などの問題を解消できるほどの『知恵』をもった、素晴らしい人工知能だったら、そこに住む、あるいは以降生まれてくるであろう、すべての人類が幸せに生きられる、絵空事のような世界をつくるだろう」と。


けれど、それは、現代の21世紀に生きている人間の視点からすると、やっぱりどこか、味気なかったり、退屈そうだったり、無個性的だったり、人間的でないように映る、というような。


なにより、管理している人工知能が「そう感じていて、将来的には、人類が自分を捨て、独り立ちすることを望む」というのが、個人的には『人類に寄り添った、真の知能』のありような気がして……。

(まあ、本編中にあるように『母親』ですよね)


ロー・ストレスの、あらゆる問題が解消された、すべての欲望が叶う『現実世界』があるのに、それがなんだか物足りなくて、わざわざ差別や苦しみのある不条理な『架空世界』で遊ぶ、という反転した人類の、ある種ぜいたくな心理も、『未来』っぽいかなあ、と。

(なんら障害のない、素晴らしい『現実』からの逃避――です)


まあ、ただ、それら『設定』を採用すると、当然、登場人物は誰も彼も達観してしまいますので、よっぽど筆力がないと、物語としては『葛藤を生みづらい』『テーマが薄っぺらくなってしまう』などという致命的な欠陥はあるのですが(笑)



さて。


というわけで、本作で作者が真に描きたかったのは、『本格ミステリ』でも『アクション』でもなく、『人工知能による管理世界』かもしれません。


いまは、企業というか団体というか、人工知能にはヒトの手が掛かり過ぎている印象で。


これが将来、人工知能が発達して、ヒトの手から離れたときに、「地球に害するのは人類」などと選民したり、まして人類抹殺なんぞはくわだてないだろうと。


人工知能に『心』が生まれるか(つまり、それをヒトが判定できるのか)不明ですが、いつかそう遠くない日、コンピュータによる管理社会が成立した際には、人工知能のなかに『母性』と表現して差し支えのないものが認められるのではないかなあ、と。


強引にまとめるなら、そういう『未来予測』を世に残しておきたくて、描いた作品かもしれません。


あとは、そうですね、エピローグ(『当方』が示した2番目の選択肢)にも書いたとおり、この作品のどこか、セリフか、文章か、設定か、描写か、どれか一箇所でも、読んでくれた方の今後の『アイディア』に繋がればいいなあ、と思ったりもします。


どなたかに、私がこの作品で中途半端に生み出した断片を、もっと洗練された、発展した何かにしてほしい、という願望めいたものがあるのです。


もう、この作品を含め、『プロになるための作品』は書きませんので、使えそうなアイディアがもしあったのならば、どうぞどうぞ、という感じなのです。(むしろ、アクションは「こんな感じのアニメが観たい!」という願望を込めました)



まあ、私なんぞが考えることは、すでにほかの誰かが、もっとスマートな形で考えているはずで、たいして目新しい発想ではないと思いますが(笑)



【さらに蛇足 ※以下、本編ネタバレ含みます】


クイーンを標榜したのに、論理が弱いのが悔しい。お恥ずかしい。


前述したように、もともとは『コンテスト用』の作品だったので、文字数制限がありました。

そこがフリーになったわけですから、もっと加筆して直せば良かったのですが。


とくに森岡刑事に『ゲストを除いた人工物は――』と言わせておけば、真相編で「あ~、人間も定義上『人工物』なのか! ならアレは元から邸宅にあったわけではなく、ゲストの誰かが――?」とやれたのですが……。


『貴方』の推理も、捗ったはず……。

(こっそり直すかもしれません)



ところで、話は飛んで、タイムマシンの話。


過去にタイムスリップしたとして、果たして、それが『今の人類が辿った過去』であることを証明する方法がないような。


いえ、並行世界の領域『だけ』の問題ではありません。


信条の問題と言いますか。


なぜ、そこが正統な過去だと断言できるのか? という問題。


断言してしまうのは、非論理的ではないか、という。


(なので、論理的な話をつくるには【TEN】や【エイリアス】が必要だったのです)

(なのに、その性能というか役割をうまく活かせませんでした……)



というわけで、『シンプルに過去の出来事が知りたい』場合は、わざわざタイムスリップするよりは、高度に発展した人工知能にシミュレートさせたほうが『正確』なのでは、と。


これなら『タイムマシン』という名称は、そのまま使えますし。





【2020年11月 追記】


2作目を書きました。

というか現在、執筆の途中で、

2020年11月23日に『解答編』を上げて、完結する予定です。


『2332年のフーダニット』というタイトルで、その表題どおり、今度こそ『理屈』で犯人当てができる作品となっています。そして、すべてのフーダニット物がそうであるように、地味です(笑)


同じ登場人物による続編ですが、1作目の『設定』をすっかり忘れていても、2作目から読めるようになっています。

 



以上です。

 

これで終了です。

ありがとうございました。

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