53.エピローグ
Epilogue public // 公開が許されたエピローグ
// あるいは、不染井がウミヤマセの顔を『放出』攻撃した直後――
// あるいは、不染井桜の行動記録 11月8日 午前10時04分
不染井は、ガンブレードの『放出』で生まれた反動を、吹き飛ばされた先に浮かべたパネル、宙に浮かべたパネルを踏むことによって、打ち消す――どころか、それを足がかりに『若島津君の三角飛び』の要領で、仰け反ったウミヤマセのほうへ跳び、戻り、首を刎ねる。
これでリベンジを達成。
三人組の魂は、ほどなく消えた。
「手、貸して」不染井は『吸収』処理をしながら、呼ぶ。
「分かってる」セーウンは歩み寄りつつ、刀を抜く。「介錯だろ?」
不染井がバトルワールドで『負け』た瞬間、然るべき場所――今なら、東京地方裁判所の法廷、その証言台に飛ぶことをセーウンは知っていた。いま飛んで無実が証明されれば、代表発表に間に合う。
「いや、違う」不染井は楽しそうに首をふる。「『義によって助太刀』だよ」
彼女の声に反応し、セーウンの身体が、ぴかん、と光ると、不染井の『パーティ』の欄にセーウンのデータが乗った。これで二人は仲間。一蓮托生だ。
「おい、なんだ、血迷ったか? 代表に選ばれなくていいのかよ?」セーウンが叫ぶと、また彼の身体は光った。「あー、もうこれ、鬱陶しい! 俺のカラダ、馬鹿なのか~!」
挑発や演技ではなく、本当に鬱陶しかったのか、と不染井は笑いそうになったが、すぐに気を引き締める。
「来るよ!」
彼女は自分の声が弾んでいることに気づき、またテンションを上げる。
「へっ?」セーウンは間の抜けた声を出す。今度は具足が光っていた。「何が?」
「バトルカップよりも、断然、面白いもの」
「んなのあるかよ?」
「来るよ!」不染井はニヤニヤしながら、もう一度、叫んだ。「伝説の魔女だ!」
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