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1.隠されたプロローグ



  prologue private // 公開が禁じられたプロローグ



 日本時間2332年11月7日13時00分となりました。


 指定された時刻に到達しました。


 『当方』は命令を実行します――実行しています。


 遅ればせながら、命令実行と同時に『当方』が定義されたことをご報告します。


 『当方』は、プログラム製作者が設定した手続きに従い、21世紀に実在した人物の中から、『この手の事件』を解決するのにうってつけな能力を有する者を選び、その脳と視覚入力系の一部を復元し、『貴方』として定義しました。


 『貴方』に課せられたのは、当プログラムを製作し、その実行を命令した者――つまり、『権限者』が、ちかく担当するであろう刑事事件の『真相』を解明することです。


 『当方』は、『貴方』が課題を達成するのにあたり必要だと思われる情報を収集し、提供します。


 その際に参照する情報は、主として『権限者』の『行動記録』となりますが、それ以外の人物の『行動記録』をハッキングし、適宜取得するというような『揺らぎ』は、法的範囲内に限り、許容されています。


 さて、それら『行動記録』は、言うまでもなく、『権限者』を始めとした現代人――つまり24世紀に生きる日本人の感性で記される自動筆記型の日記となっております。そのため、21世紀から招かれた『貴方』からしてみれば、いまいち要領を得ない描写も少なくないと思われます。課題達成の一助となるかは不明ですが、かような疑問の解消のため、ネットワーク上に無制限で公開されている情報を『権限者』に断りなく取得し、『貴方』に提供する場合があります。もちろん、『権限者』がその履歴を閲覧することは可能です。


 なお、『権限者』には、一度だけ『貴方』に意見を求めることができる『特権』が与えられていますが、『貴方』が『権限者』に先んじて『真相』を掴んでいた場合には『意見を返す行為』そのものが、TEN法・第31条――いわゆる『ネタバレ禁止則』に抵触してしまう恐れがあります。そのため、『貴方』が真相を掴んだ時点で『特権』は破棄され、『権限者』のあらゆる問いかけに対し、ヌル(無反応)を返すこととなります。ご了承ください。


――以下、省略。



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