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もしかして女

ブクマ評価感謝ですm(_ _)m

 「……はぁ……どうしてこんなことに」


 今俺の隣にはニコニコと笑いながら、脚をぶらぶらさせているララがいる。


 一度はパーティーを抜けてもらうことを本気で提案した俺だったが、背中に抱きついて泣きながら縋ってくるララのお胸様に陥落してしまった。


 最初はこの美人な姿にララさんなんて呼んでいたが、あの鼻水を垂らしながら抱きついてくる奴に「さん」なんて勿体無い。


 これからはララと呼び捨てにさせてもらおう。





 魔力380のララの魔法攻撃力は確かにとんでもないものなのだろう。


 しかし魔値:5では火の玉五つ出したら終わりなのだ。


 今思えば、あのショボい火の玉で何を感動していたのか、さっぱりである。


 そして何でも、魔値が尽きてしまったらほとんど動けなくなるらしい。


 では魔値以上の魔値が必要になる魔法などは使えるのか、ということを聞いてみると、どうやら使えるようだ。


 ただその場合のほとんどが気絶してしまうというデメリットもあるらしいが……


 使ってしまった魔値は時間が経てば自分でも回復してくれるようで、使用した魔値を回復する魔値回復役などもあるようだが、『5』という魔値では使っても大して意味がないらしい。


 それも含めてやっぱりララはポンコツだった。




 まぁそんなことはさておき、俺たちは今結構な危機に瀕している。


 戦いの時、敵をひきつける前衛がいないのだ。


 俺がプレイしていたオンラインゲームなどでも、所謂「タンク」や「壁役」として呼ばれていた職業は、必須な割にその数が少なかった。


 それはこの世界でも同じだったようで、壁役を担う前衛は、その需要に対して圧倒的にその数が少ないらしい。


 今、【『加入条件』―――敵を引き付けられる前衛の方】といった内容でパーティーメンバー募集を行ってはいるが、正直期待薄である。


 普通なら引く手あまたの人材が、わざわざこんなポンコツパーティーを選ぶとも思えない。


 「……はぁ」


 改めて自分たちのパーティーの酷さにため息がでる。


 「…………」


 「ら、ラクさんラクさん……」


 「ん、なに?」


 今色々と考えているからあまりちょっかいを出さないで欲しいんだけど……。


 「……ま、前見てください……」


 「前って何、が……」


 そこには―――鉄鎧があった。


 否、正確に言うのであれば鉄の鎧を身にまとった誰かがいた。


 その鎧は今までもモンスターの攻撃を耐え忍んできたのか、所々へこんだりしている。


 それがまた一層、不気味さを助長している気がしなくもない。


 「な、何か御用ですか?……?」


 「……」


 俺の質問に対し、鉄鎧は無言で何やらを差し出してくる。


 よく見るとそれは一枚のステータスプレートだった。





 名前:リリカ=アルバート


 レベル:7


 魔値:10


 筋力:100


 耐久力:340


 魔力:10




 貴族、か……。


 確かにこんなに鉄鎧を着ているのだからそれなりにお金を持っているかもとは思ったけれども、何かララといい貴族ってこんなにも多いものなのだろうか。


 しかし一つ重要なことがある。


 『耐久力』―――340


 レベルは確かに心許ないが、それを無しにするぐらいのこの耐久力の高さ。


 つまり、この鉄鎧は俺たちが探していた人材そのものなのだ。


 「えっと、パーティーに入りたいってことでいいんですかね……?」


 俺たちの下へとやって来てステータスプレートを見せてきたってことはそういうことだろう。


 というかそう願いたい。


 ―――コクリ。


 しばらくの沈黙の末、鉄鎧は俺の言葉にゆっくりと頷いた。


 よっしゃああ!!!


 内心一人でガッツポーズを取りながら、俺は話を進めることにした。


 「じゃあえっとこのパーティー加入用紙にサインしていただけますか?」


 因みにこの鉄鎧が間違えて俺のパーティーのところへやってきているかもしれないが、わざわざそれを指摘しなくてもいいだろう。


 油断する相手が悪いのだから、ふふっ……


 「……」


 すると鉄鎧の動きにくそうなまま、俺からペンを受け取ると汚い字でリリカとサインした。


 というか今気づいたが、リリカってもしかして女……?


 い、いや、仮にも前衛に行くのだから女はさすがに有り得ないだろう。


 俺はリリカとサインされた用紙をすぐに受付にまで持っていく。


 もちろん最初のクソ女のところではない別のところだ。


 そしてようやく正式にリリカが俺のパーティーメンバーとして受理された。


 何か詐欺みたいな気もするけど、まぁ諦めて欲しい。


 この世界ではどうやらパーティーに一度入ると一ヶ月は抜けられないらしい。


 それも含めてポンコツのララが結果的に俺のパーティーに残ることになったのだが……。


 「じゃあ、これからよろしく」


 二人の下へ戻った俺は、ララにやった時と同じように手を差し出す。






 ―――はぁ、やっとパーティーに入れた。





 その時、俺たちの間にそんなやや甲高すぎる(、、、、、)声が響いた。


 「……は?」


 俺は目の前の鉄鎧を見つめる。


 鉄鎧はゆっくりとその自らの鎧を脱いでいく。


 そして最後に残ったのは――――――幼女だった。


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