冒険者登録は子供でも通るよ
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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。連載中です!!
―――攻撃こそ最大の防御。
その発想はなかったけど、たしかに言われればその通りかもしれない。
「ど、どうでしょうか……?」
「うーん……」
最初は防御重視で行こうと思っていたのだが、確かに攻撃魔法を使えたほうがモンスターとかも狩りやすく効率的である。
それにこの美人さんが攻撃魔法でモンスターを倒してしまえば、その分何もせず後ろで見ていればいい俺には危険などないはずだ。
「……一回、魔法を見せてもらっていいですか?」
既に俺の中では、この美人さんにパーティーに入ってもらおうという思いが濃厚なのだが、やはり確認せずにはいられない。
もしこれで普通に魔法を使えたらパーティーに入れてあげればいいし、もし使えなかったとしたら申し訳ないが今回は縁がなかったことにすれば良いのだから。
「……我に小さな灯火を与えん―――フレイム」
美人さんが何か中二病っぽい詠唱をしたと思った次の瞬間、その綺麗な指の先に、小さな火の玉が浮かんでいた。
「おぉ……」
何気に異世界に来てから、初めてちゃんとした魔法を見た気がする。
指の先の火の玉はしばらくすると何事も無かったかのように消えていった。
「今はギルドの中なので小さいやつにしたんですけどね」
「はぁー……」
結構前からもずっと分かっていたことだけれど、また改めてここが異世界なんだなって実感できた。
この美人さんの言葉からすると、もっと凄い魔法も使えるのだろう。
「……そ、それで私はパーティーに入れるのでしょうか?」
……うん。
今のを見せられてから断るという選択肢は俺にはない。
「これからよろしくお願いします」
俺は美人さんの顔を見つめながら、自分の手を差しだす。
今更だけどこんな美人さんと話していたのだなぁと、思わず自分自身に感心する。
日本にいた頃はクラスメートの女の子にでさえ緊張して話せなかったというのに。
異世界に来て、俺自身が気づかないところで何やら心境の変化でもあったのかもしれない。
「……っ!よろしくお願いしますっ!!」
今日一番の笑顔で、俺の手を握り返してくる美人さんの手はとても柔らかく、そして気持ちよかった。
「……あ、そういえば名前聞いてなかった」
それからしばらく喜びを噛み締めていた美人さんがようやく立ち直ったとき、ふと名前を聞いていなかったことを思い出した。
これから一緒にパーティーとしてやっていくのに「美人さん」ではあんまりだろう。
「俺はラクっていいます。適当に呼び捨てでも大丈夫なんで」
門番さんに色々と聞いていた時に知ったのだが、この世界では苗字持ちというのは所謂貴族さまがほとんどらしい。
だから悪いけどしばらくは物部はお休みしそうだ。
「私はララ=ミリターリアです。これからよろしくお願いしますラクさん」
「あぁよろしくララさん」
美人さん―――ララさんは名前を教えてくれる。
やはりララさんは貴族さまだったらしい。
まぁこれだけ雰囲気があれば別に驚くこともない。
「あ、そういえばステータスプレートとかって見せてもらえます?」
俺は冒険者登録が出来なかったのでステータスプレートは持っていないが、ララさんは恐らく持っているはずだ。
なぜなら冒険者登録は子供でも通るようなものなのだから。
「はい、どうぞ」
「あ、ども」
眩しい笑顔に思わず少しだけドギマギしてしまう。
「……」
俺は受け取ったステータスプレートに目を落とす。
名前:ララ=ミリターリア
レベル:14
魔値:5
筋力:40
耐久力;50
魔力:380
うん?
あれ、見間違いかな?
名前:ララ=ミリターリア
レベル:14
魔値:4/5
筋力:40
耐久力;50
魔力:380
あれ、これは一体どういうことなんだ?
ちょっと説明して欲しいんだけど
『魔値』―――4/5 って何?
五分の四って読むんだよな多分これ。
こういう風に表示されるのは知らなかったけど、多分間違ってないはず。
「あ、あのララさん。もう一回魔法使ってみてくれない?」
「? 分かりました」
少しして再び先ほどのように火の玉が出現する。
「……」
恐る恐る手元のステータスプレートに目を向けてみる。
名前:ララ=ミリターリア
レベル:14
魔値:3/5
筋力:40
耐久力;50
魔力:380
やはり『魔値』が3/5になっていた。
「申し訳ないんだけど」
「はい?」
「君、クビ」
「……え?……えぇーーーーっ!?」
はぁ、これからはしばらくは一人でクエストをこなしていくしかないな……。
ギルドに驚きの声が響く中、俺は一人溜息を吐いた。




