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仕方ないですね、濡れましょうか

ブクマ評価感謝ですm(__)m

 

 「………それで?昨日の夜は何をしていたんですか?お花畑行ったんですか、そうなんですね?」


 「行ってないから!?」


 俺は今、ベッドの上でリリカに問い詰められている。


 もちろん正座である。


 昨日の夜、リリカが眠っていると思い部屋を抜け出したのが、どうやら狸寝入りだったようだ。


 「じゃあどこに行ってたんですか?まさかクエストとかですか?」


 「い、いや違うよ……?」


 本当はリリカの言う通りクエストを受けてモンスターを倒しに行っていたのだが、俺はリリカとララに自分の力を話していないので、夜のことがバレるわけにはいかないのである。


 「じゃあ何していたんですか?」


 「あー……あ、えっと確かシエルって人に串焼きを買ってあげてたんだよ」


 「はぁっ!?嘘を吐くにしてももっとまともなことが無かったんですか?」


 「い、いや!本当だって!」


 シエルとは冒険者でもトップを争う冒険者の一人。


 そんな彼女に串焼きを奢ったなど、ただの妄言にしか聞こえないかもしれないが、これは正真正銘現実にあったことだ。


 「なんだったら今度シエルに会ったときにでも聞いてみればいいから」


 「……っ…そうですか、ならいいです」


 偶然にも昨日の夜クエストに行く前に、シエルに出会っていて良かったとホッとする。


 最初はスルーしようと思っていたが、やはり人助けはするべきだ。


 そのおかげでリリカには嘘ではない言い逃れをすることができたのだから。


 「でもこれから勝手に夜に抜け出したりしないでください。夜は危ないんですから」


 ……。


 リリカはシエルが俺のことについて言ってきたときから、やけに夜に煩い。


 もしかしたら既に俺がある程度のモンスターを倒せるのでは、と疑っているのかもしれない。





 「そういえば今日、雨降りそうだけどどうする?」


 俺は宿屋の窓から空を見上げながら、ララたちに尋ねる。


 どうするというのは、何時ものようにクエストを受けるかということだ。


 「まぁ一回ギルドに行ってみてから決めましょうか」


 俺たちはララのその言葉に従って、一度ギルドへと言ってみることになった。





 「あ、今日オークのクエストが貼られてませんね、どうしますか?」


 「うーん」


 俺たちはクエストボードの前でうんうんと唸っている。


 いつも受けているオークのクエストが雨が降りそうな今日に限って、貼られていないのだ。


 それはいつも俺たちのパーティーが受け続けているせいか、それとも俺が夜にオークを倒しすぎたせいかは定かではない。


 「あ、これなんてどうですか?」


 そう言いながらララが見してくるクエスト用紙には『薬草集め』と書かれていた。


 詳しく見てみると、街の近くにある森で回復薬の材料となる薬草がとれるらしい。


 しかしどうにもこの手の採取のクエストは受ける人が少なく、需要に対し供給が追い付かなくなり始めそう、ということ。


 「確かに森の中なら雨が降っても、濡れにくくていいかもしれませんね。それにしましょう」


 俺たちからの同意も得たララは、手に持つクエスト用紙を受付にまでもっていったのだった。





 「うわぁ、降り始めてきた……」


 森に入る少し前、ぽつぽつと雨が降り始める。


 俺たちは雨宿りとクエストを兼ねて、すぐ目の前に見える森へと足をはやめた。





 「薬草こっちたくさんありますよー」


 「お、こっちにもあるぞー」


 それからしばらく、俺たちは薬草を探している。


 だが次第に空からの雨脚は強くなり始め、木の下にいても少しずつ服が濡れ始めるようになった。


 「うーん、結構集まったけど、これどうしようか……」


 俺は自分の濡れた服に目をやりながら二人に聞いてみる。


 このまま街へと帰ってもいいが、この雨では帰り着くまでにどれほど濡れるかわからない。


 せっかくこれまで出来るだけ濡れることを最小限に抑えてきただけに、ずぶ濡れになるのは少し残念である。


 しかし、雨が止むのを待つといっても、木の葉の間から覗ける空の感じを見てもすぐに止んでくれそうな気配もない。


 「……少しだけ待ってみようか」


 結局、俺の案の少しだけ待ってみて降りやみそうになかったら濡れて帰ろうということになった。






 「はぁ……、止まないなぁ……」


 しかし幾ら待ってもやはり雨は降り止みそうにない。


 「仕方ないですね、濡れましょうか」


 「だな」


 結局、俺たちは濡れて帰ることにした。


 最後に荷物忘れがないかのチェックをしてから街のほうへと身体を向ける。


 「……?」


 俺はその時ふと違和感を抱いた。


 何かな、と思って考えてみるがわからない。


 「ほら早く帰りましょう」


 「あ」


 その時ララに声をかけられて初めて違和感の正体に気づいた。


 今日、クエストが終わったのにララを背負って帰る必要がないのだ。


 「なるほど」


 何時もやっていることと違うから違和感があったのか。


 俺が一人でうなずいているのを見て、ララが不思議そうな顔をしている。


 その時だった。






 ―――緊急!緊急!ドラゴン飛来!!ドラゴン飛来!!






 そんな緊急警報が鳴り響いたのは。

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