どう戦えばいいんだ
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「うーん……」
今日はこっちを受けようかなぁー。
俺は今、変装を済ませた状態で、クエストボードの前にやって来ている。
いつもならここで迷わずオーク討伐のクエストを受けるはずなのだが、俺はこの前の一件でオーク討伐のクエストに飽きてしまっていた。
それならば今日は別のモンスターのクエストでも受けようと選んだのは、ヴァンプの討伐クエスト。
そしてその用紙を手に俺はお馴染みの受付にまで持って行った。
「まぁそうだよなやっぱり」
思わずため息を吐く。
ギルドの受付に話を聞いたあたりからほとんど確信に近いものがあったが、やはりヴァンプというモンスターは、俺がゴブリンだと思っていた奴だった。
つまりは雑魚以外の何者でもないわけである。
もしかしたらヴァンプが初めて見るモンスターで、面白い戦いが出来るかもしれないとほんの少し期待していたのだが…。
あぁ…どうしよう…。
俺は地面に落ちていた小石を拾いながらそう心の中で呟く。
どうせ石を投げても、ピューンしてバーンで終わるだけだ。
それではただの作業でしかない。
何か少しでも飽きないようなやり方は無いだろうか。
そんなことを考えているうちにも、ヴァンプはどんどんと俺との距離を詰めてきている。
「あ、接近戦とかならもしかしたら…」
以前、オークと接近戦をしたがどうにもその時はよく分からない内に終わってしまっていたので、自分の接近戦が通用するか試すいい機会だ。
「ならこれは要らないや」
接近戦をするのであれば小石は必要無いので、今しがた拾った小石を地面に落とす。
その時点でちょうど良いくらいの距離までやって来ていたヴァンプがいたので、俺はそちらへ歩き始める。
「…あ」
ヴァンプとの戦闘が始まるまで残り数メートル、といったところで俺は重大なことに気がついた。
接近戦ってどう戦えばいいんだ…?
本当今更すぎる疑問だが、当然ヴァンプはそんな俺を待ってくれるはずもない。
「うおっ!?」
案の定、ヴァンプはいきなり足を曲げたかと思うと、俺目掛けて飛びかかってきた。
「…っ…!」
俺は無我夢中で手を突き出す。
次の瞬間、何やらブシュッという音とともに気持ち悪い感触を腕先に感じた。
恐る恐る目を開けてみると、そこには胸あたりを俺の腕によって貫かれたヴァンプが力なくぶら下がっていた。
「うわぁキモい…」
白目を剥いて絶命しているヴァンプは今まで見てきたやつの中でも飛び切りグロい。
しかし俺はやはり異世界で精神的に成長したのか、吐き気を催したりする訳でもなく、死体を地面におろした。
「あ?」
その時、視界の隅で何かが動いたような気がした俺は顔を上げる。
するといつの間にか、ヴァンプが数匹、俺を囲むようにして近づいてきていた。
「はぁ…」
俺はため息をこぼすと、再びヴァンプたちと対峙したのだった。
「雑魚い……」
何でこんなにこいつらは雑魚いんだろうか。
足下に転がっているヴァンプたちの亡骸に目をやる。
どの死体にも俺の腕によって貫かれた穴がくっきりと残っており、そこからヴァンプの体液が今も流れていて気持ち悪い。
まぁ、そんなことを言っても仕方がない。
そろそろ日も昇ってくる時間になりそうだし今日はここ辺りで切り上げよう。
「あ、あった」
ただ、接近戦をして一つだけ良いことがあった。
石を投げつけた時に比べて、かなり討伐部位を探しやすい。
スラチンに汚れを落としてもらいながら、俺はどんどんヴァンプの討伐部位である角を回収する。
回収し終わったところで、少しずつ明るくなってきた。
よし、これをあのクソ女に持って行ってやろう。
俺は一人ほくそ笑みながら、街への帰路に着いたのだった。




