ロリコンとかそういう訳じゃ
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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。連載中です!!
「……何で同じ部屋なんですか?」
そう言うのは不機嫌顔のリリカ。
今、俺とリリカ、そしてララは同じ宿屋の同じ部屋に泊まっている。
もちろん俺が望んでこうなった訳ではない。
宿屋の部屋が空いていなかっただけだ。
当然俺たちは別の宿屋も探したのだが、運が悪いことに他に見つけられた宿屋の部屋も空いておらず、最初の宿屋になった。
因みに一番高い部屋である。
まぁそれでもドラゴンのところで拾ったやつからすれば全然余裕だったのだけれど……。
「同じ部屋で寝たりして襲われたりでもしたらどうするんですか、どうなんですか?」
「幼女は帰れ」
俺はロリコンではなくノーマルなのだ。
もし本当に俺が襲ってしまうようなことがあるとすれば、せめてララの方だろう。
「……」
ちらり、と俺は隣で首をかしげているララの身体に目を向けてみる。
大きすぎることは無いが、きちんとその身体には凹凸がありどうしても男の目を惹きつけてしまう。
「あ!ララさんこの人今貴方の身体をいやらしい目で見てましたよ!」
「なっ!?」
それを目聡く見ていたリリカの告げ口に思わず俺は慌てる。
「…………ぅぅ?」
しかしどうやらララは既に眠気に襲われていたらしく、万事には至らなかった。
「……」
それにしてもこの幼女は本当にどうしてやろう。
恐らく貴族だろうに、教育係などはいなかったのだろうか。
「何ですか?そんなにいやらしい目で私を見ても何もしませんよ?」
「見てねぇよっ!!??」
本当そういうのは男にいったらダメだ。
否定してもただの言い訳にしか聞こえないから、本当ダメだ。
「……ララさんは眠ってしまったようですね」
「あぁ」
気がつけばララは既に船を漕ぎ始めている。
「ほら、ベッドに移動させてあげてください」
「りょーかい」
特に変なことでもないので、俺はリリカの言葉に従ってララをベッドまで連れて行くことにする。
しかし気持ちよさそうに眠っているところを起こすのも可愛そうだ。
「よいしょ……っと」
「……へぇ」
俺は眠っているララを起こさないよう、膝の裏と腰に手を回して、慎重に持ち上げる。
俗に言うお姫様抱っこというものだ。
しかし昔見た漫画なんかでは実は持ち上げるのは大変だ、というものを見た気がするのだが、あまり重さは感じられない。
きっとララが軽いのだろうと一人納得する。
ただ、俺が軽々とララを持ち上げたことで横で見ているリリカからの感心の声をわざわざ否定するような真似はしないが……。
「先風呂入ってきていいぞ?」
ララが眠り初めて少しして、俺はリリカに風呂を提案する。
ララは入る前に寝てしまったが、明日の朝にでも入るだろう。
しかしリリカはギルドにいたとき、あのボロボロの鉄鎧の中にいた訳で、きっと汗もかいたはずだ。
「覗く気ですね?分かります」
「だまれ幼女」
適当なことを言ってくるリリカを早々に脱衣所へと向かわせ、俺は椅子の背もたれに身体を預ける。
「やっぱ今日は色々あったなぁ……」
俺は今日一日を振り返ってみる。
街を見つけて、門番さんに色々話を聞いて、ギルドに行って、冒険者登録できなくて、ポンコツ魔法使いと幼女とパーティーを組んで、そして最後に皆で同じ部屋に泊まる。
イベントが盛り沢山すぎて、笑いが出てきてしまう。
だがそんな中でも安心して欲しい。
既に今日、五回くらい落下物にあっている。
結局そこだけは異世界でも日本でも全く変わらなかったわけだ。
もはやこのことについて俺に出来ることは何もないのではないだろうか。
そして、あのドラゴンを潰した巨石も気になるし……。
「はぁ寝るか……」
一日動いて汚いことは分かっているが、どうしても襲い来る眠気に勝てなかった俺はそのままベッドに倒れ込んだ。
「眠ってるんですか、そうなんですか?」
「……ぅぁ?」
ほとんど眠っている状態だった俺は、子供特有の声で少しだけ目が覚める。
「……どした?」
気がつけば部屋は暗闇に支配されていて、恐らくリリカだろうその影も僅かなシルエットしか分からない。
「えっと、そのですね……」
すると何やらリリカの戸惑ったような声が聞こえてきた。
「……?」
一体何がしたいのか分からず、俺は頭の上にクエスチョンマークを思い浮かべる。
「そ、そのあ、あ、あり……」
「あり?」
できれば早く眠りたいのだが、何か用でもあるのだろうか。
俺は暗闇の中、薄目でリリカを見つめる。
「き、今日は、その……あ、あり……」
「……」
睡魔に襲われながらも俺は必死にリリカの言葉を聞いている。
何か悪いことでもしたのだろうか。
もしくは未だに一緒の部屋で眠ることを根に持っているのか。
どちらにせよもう眠いから早くして欲しい。
「……今日はあ、ぁ……ありがとうございましたです。た、助かりました」
「……え?」
一瞬何を言われたのか分からず俺は閉じかけていた瞼を開ける。
そこには既にリリカの陰はなく、ただ別のベッドの方からボンッという少し大きな音が聞こえただけだった。
「…………」
ちゃんとお礼、言えるんじゃないか。
別にロリコンとかそういうわけじゃ決してないんだけど、少しだけ幼女も可愛いかもなんて思ってしまった。
本当ちょびっとだけだからな?
そんな風に自分へ言い訳しつつ、これからの異世界での生活が明るいものとなるよう祈りながら、俺は再び瞼を閉じたのだった。




