優恋
言葉って、なんてせつないんだろう
私の心を揺るがし、縛る
まるで鎖のように───
雨が勢いを増してきた。
まるで、私の心の内を表しているかのような、この大粒。
平気だ。
雨の音が、私の泣き声をかき消してくれる。
制服はずぶ濡れになってしまっても、かまわない。
泣き顔だって、縛りもしない長い黒髪のおかげで、
顔にわかめが張り付いたようになっていて、見えないから。
私は良いんだ。
いや…
「フラれた」という点では良くないんだけど。
彼の方が心配だ。
何しろゆうに20分間は、二人とも無言でただ立ち尽くしているだけなんだから。
雨に打たれ、体も心も冷えた状態になりながら。
「本当に、ゴメン───」
二度目の言葉。
まるで突き放されたような、
さようなら、と言われているようで、心が重くなった。
彼は、もうそれ以上何も言えないだろう。
私も辛い、けど、彼もきっと───
知っていたはずじゃないか、私。
どんなに強く想っても、惹かれても、
叶わない恋も、あるんだってこと───
私も言わなくては。
好きになってごめんなさい。
想いを、止めることができなくて、ごめんなさい───
「…ありがとう」
ごめんなさい、より、まだ優しくなれるような言葉をみつけた。
こっちのほうが良い。
それは、私の想いを受け止めてくれたことに、じゃなくて、
私の想いを、知ってくれてありがとう、だから。
そして、あなたの想いを聞かせてくれたことにも。
「君は、優しいね」
何故だ?
一方的に言葉をぶつけて、
想いを返してくれなかったからといって、
こうしてあなたを困らせてしまっているのに。
優しいのは、どっちだ───
「人を好きになるのって、優しさが必要だと思うんだ。
だって、好きになった人のことを考えるだけで、優しい気持ちになれるだろう?」
そう、確かに、あなたのことを考えると───
優しさが、込み上げてくる。
「だから…俺も、ありがとう」
それは涙を誘っているの?
雨が小粒になってきて、止まんとしているのに。
だけど、彼の優しい言葉に、
心は救われたようだ。
だって、心の内を表している空は、
雲の隙間から、太陽を覗かせているから。
いかがでしたでしょうか?!気持ちを文章にするのは、なかなかディフカルトォォですね。もっと精進します!