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不良君の執事生活  作者: randelio
日常編 パート2
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第36話 異性からでないと意味がない!同性から貰ったところで悲しいだけだ!!

「おっじょうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!」


俺はノックもせずにお嬢の部屋のドアを勢いよく開けた。

普通のベタな展開だとヒロインが着替え中で「いやー、のび男さんのエッチィ」的なやり取りがあるはずなのだが、実際のところ俺はスケベではあるが、ラッキーではない。

ラノベや漫画の主人公は、大体ラッキースケベであるのだが、俺はアンラッキースケベであるということであるということになる。


「あ・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


誰もいねぇぇぇぇ!

普通に騙された! 傘守さんに騙されたよ!?

俺の弱点を突いただとでもいうのだろうか、俺がこんなに簡単に騙されてしまうだなんて


「こんなのってないよ・・」


何が秘密のお勉強だ、お嬢がそんなこと言う訳が無いだろうが・・。

何良い気になってこんなに・・。


「あぁ、世界の悪意が見えるようだよ」


ハァとため息をついて、


「・・戻るかぁ・・・・ん、そう言えば傘守さん、厨房になり隠してたんだろう、もっかい行ってみるか」


こうしてお嬢の部屋から出ると、無精髭を少し生やして、煙草を吸いながら歩いている里峰さんがいた。


「あれ、里峰さん・・こんなところで何やってんすか?」


「見りゃ分かるだろ、散歩だよ散歩」


「え、でも傘守さんがさっき厨房を掃除してるって」


「あ?んだそりゃ? 見ての通り掃除なんてしてねぇぞ」


おかしいな、傘守さんは確かに厨房で掃除してるって言っていたような気がしたんだけど

・・やっぱり、怪しいな


「ちょっと厨房見てきます」


「お、おい」


俺はそのまま真っすぐ厨房に向かった。

でも、さっきと今では時間が結構経ってしまっている。


少し小走りをしながら厨房に向かうと、そこには傘守さんは居なかった。


「・・あれ、もういなくなっちゃったか」


俺は厨房の扉を開けた。

だが、そこはいつものように綺麗な厨房だった。


「・・やっぱり、汚くなんてないじゃないですか」


俺は厨房を少し歩きまわる。

しかし特に変わった物も置いているわけでもなく・・、


「・・・あぁ、何かもやもやするなぁ~」


せっかくのバレンタインだってのにチョコはもらえないし、騙されるし、チョコはもらえないし。

自分で考えてるだけで何か鬱になってきた。


「あ、時雨君~、そんなところに居たんだねぇ~」


傘守さんだった。

俺を騙しやがってこの野郎!って言いたいところだけど、一応あれでも上司と言う状況なので自粛する。


「時雨君、何かすごく殺意がこもった顔をしてるし、何かすごく失礼な事を言われているような気がするんだけど」


「いえ、・・別に騙されたからって怒ってなんかないんだからねっ」


「ツンデレ!?」


「別に殺っちゃおうなんて思って何かないんだからねっ!」


「ご、ごめんなさい!」


冗談のつもりだから謝られてしまった。


「・・ま、それはいいとして・・さっきは厨房に何隠してたんですか? 里峰さんは廊下で散歩してたんスけど」


「いや~、ハハハ・・・実はさぁ~、はいコレ」


傘守さんは俺の手に何かが入った紙包みを渡してきた。

これって・・・


「え、っと・・・・・これは・・」


「うん、チョコレート、バレンタインのね」


「いらね」


「えぇえええ!? ちょっと待ってよ!何でいらないの!?」


「だって男に貰って喜ぶ男子がどこにいるんですか! だったらまだお婆ちゃんとお母さんに貰ってた方が嬉しいですよ!」


「で、でもさ・・別に僕が作ったって誰も言って無いじゃない?」


「じゃあ誰が作ったんですか」


「・・・・・・・・ま、いいからさ! 後で食べてね! じゃあ僕はこれで!」


「あ、ちょっと・・・・」


行ってしまった・・。貰ってしまった。


「今年はついにチョコを手に入れた―!」


って全然嬉しくねぇんだよ!

男に貰う男の子って何・・・?なんか嫌なんだけど、何かまったく嬉しくも無いんですがね!?


「時雨さん、どうしたんですか大声あげて」


「あ、お嬢」


「時雨さん何持ってるんですか?」


と、お嬢は俺の手に持ってる紙包みを指差した。

それに俺は


「傘守さんから貰ったんスよ、義理だとありがたいところですがね」


「へぇ、貰ったんですか・・良かったですね」


「よかったら入ります? 男に貰って嬉しいなんて思いませんし」


「いや、何なら一緒に食べましょうか」


「いや、だから俺は・・・」


「いいですからっ」


俺は強引に厨房の椅子に座らせられた。

お嬢は包みを開け、中にはいいてるチョコレートを取り出した。

チョコレートは小さなハート形のチョコレートがいっぱい入っていて・・・


「あ、悪意が感じる・・・」


「まぁ、ハート形のチョコは王道ですしね」


「そうですけどね」


しかしまぁ雑な作りだな・・・ハート形とはいえ少し歪んでいるというか、何と言うか。

とりあえず俺は一つチョコを摘まんで口の中に入れる


「・・甘っ・・」


「あ、甘いんですか・・・」


「・・・まぁ・・でも、結構いけるかも」


「ほ、本当ですか?」


「そうですね~・・って何でそんな嬉しそうなんでスカ?」


「え、いや、別に嬉しい何て思ってはいませんが・・」


「ふ~ん・・」


おかしい人だな、

と俺は思いつつチョコをもう一つ摘まむ。


「お嬢も一つどうっすか?」


何故かニコニコして逆に気持ちが悪いお嬢は


「じゃあ、一つ貰いましょうか」


お嬢はチョコを一つ摘まんで小さな口の中にいれ・・・


「・・・微妙・・」


「え? そうかな~・・結構いけると思うんだけど・・でも、これで女の子が作ったんだって言うなら嬉しかったんだけどなぁ」


「時雨さん、結構優しいんですね」


「え?何が?」




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