第27話 飛行機酔いはあることだ!エチケット袋は持参しよう!!
一応Ⅱ章です、はい
以下省略
・・・・・。
んなわけで今俺はヘリの中にいる。
俺とお嬢とお嬢のお父様とダブル傘守さん、後何だかんだで執事長も来た。
残りの人たち、里峰さんと黎さんはお留守番らしい。
あの二人が二人きりだなんて・・・気まずそうだな・・何て考えてる俺がいる。
「あぁ~、俺ヘリ乗ったの初めてですわ、そして吐きそうになる俺も初めてですわ」
「は、吐かないでくださいよ時雨さん! ここ狭いんですから危険です!」
ぐ、・・は・・不味いなこれは、
お嬢には悪いけど・・これは不味い・・・・。
そして保たれる意識の中、隣の座席のに座っているお嬢が背中をさすってくれている、が
それってだめなやり方じゃない!?
「お嬢! それ以上俺に触らないでください! 吐きます、すべてを吐いてしまいそ・・・」
「ちょっとー! 一瞬今まで見たこと無いような酷い顔になりました! 傘守さんどうにかしてください!」
「あ・・・うん・・えっと、お嬢様・・実はその・・僕は・・・・・あ・・・不味いかも」
と、傘守さんが顔を珍しくしかめる。
「え・・、まさか傘守さんも・・ですか?」
「ははは・・・・実はそ・・」
「ちょっとー! 一瞬今まで見たこと無いような酷い顔になりました! 皐月さんどうにかしてください!」
お嬢は後部座席の皐月さんに目を向ける
しかし皐月さんは、
「わー、お空に飛んでます・・あは、飛んでる飛んでる・・アハ、アハ、アハハハハ・・」
と、呪文のように呟いている。
完全にもう狂っていた。
「・・・鬼船さん・・どうにかしてください」
と、まるで当てにしていないような目で執事長に言った。
「ふん、・・お嬢殿、実は我も・・・・・・・・ふ、しかしいくら我の体が持たないようでも、我の心だけは・・・」
「黙りやがれです」
と、執事長には全部言いきらせず、お嬢は言葉をさえぎった。
何とも言えない高等テクニック・・・。
そしてこの俺、普通に解説してるのだが、もうあれだ・・死にそうだ・・。
「楓、もう着く、降りる準備をしろ」
と、お嬢のお父様が言った。
「あ、そうですか助かりましたね」
「お・・助かった」
俺等は何とか助かったようだ。
いや、まだ助かってはいないけど・・。
◆
「助かったな~、俺達・・危うくヘリが危険な液体まみれになるところでした」
「そうだね、僕もヘリでようとは思わなかったよ」
「・・私って結構、高所恐怖症なんですよね」
「日本の武士はあのような鉄の塊など乗らないからな」
「・・・・」
お嬢が独り疲れたような顔をしていた。
お嬢以外は全員酔ったせいでか? 俺等をどうか吐かないように対処してくれたから感謝しなくてはな
しっかし、まぁ・・いきなりイギリス連れて行かれるだなんてびっくり仰天だな。
つーか一応言っておくけど平日なんだよ? 学校、どうすんのさ?
「早く来い、迎えがきている」
と、お嬢のお父様・・・あぁ面倒だ。 もういいや、パピーで統一しよう。
んで、パピーが大きなバックを肩にかけて、歩き始めた
「ささ、皆さん急ぎましょう」
◆
「む、迎えはいるな、楓達、私は少し行くところがある、先に行っていてくれ」
「はい」
お嬢に一通り話した後、パピーはものすごい速さで俺達の前から消えていった・・・って瞬歩かよ!
「あの人って一体何者なんですか?・・」
「だから言ったであろう、あの方はターミネーターだ」
「ってあの時、言ったことは伏線だったのかよ!」
どうやら14話でのあの執事長の言ったことは本当だったようだ。
あ~、ターミネーター見たいな人だったな~
「皆さん、行きましょうか」
と、お嬢が先陣をとった
俺達を待っていたのは黒いリムジンだった。
そこには漆黒の燕尾服を着て、漆黒の髪をした男が立っていた。
男は45度頭を下げ、こう言った
「鴻楓様ですね? お待ちしておりました。 私、アビエル・タワーズでございます」
その瞳は翡翠色をして、酷く冷たく、怪しかった。