第12話 現実との区別はつけよう!人を見た目で判断するな!!
12話です・・結構長文かも
『キーンコーンカーンコーン』
廊下にチャイムが響き渡る、そんなごく平凡な学校「北池高校」に俺はいた
席は特等席である一番後ろの窓際、傘守さんのおかげでお嬢様が俺の隣となった
転校初日で俺はお嬢様と朝早く学校について担当の先生に挨拶をして教室の一番後ろの席に行ったのだ
みんなが思っているように転校生は皆がHRしている間は外に出ていて、先生に呼ばれて自己紹介
ってわけじゃないのがまた事実で・・・・まぁどの学校も同じとは限らないけど、この学校はさりげなく席に座っていて注目を浴びるのだ、そんで先生が来たら前に出て自己紹介だ・・そんで終わり・・ただそれだけ・・転校生は漫画のようにはいかないのだ。【転校生の最初は自己紹介から始まるの法則】は基本的にはフィクションってこと
そんな中俺に話しかけてきたのは俺の隣の席にいるお子様、鴻楓、こいつは割と男子生徒からは慕われている・・・・ってか・・・人気ってか・・・これは結構難しいことなんだよ
こんなチビガキのどこがいいんだよ、このロリコンどもが!俺は巨乳か貧乳と言われたら貧乳だが断じてロリコンではないということだ!
「・・・・話聞いてました? ずいぶん怖い顔してますけど」
「重大なことを考えていたんです、聞いてませんでした」
「重大なんですか」
「で、なんすか? 何言ってんすか・・何言ってたんですか?」
「・・教科書・・持ってないですよね、見せてあげますから机くっ付けてください」
「・・・・・・・・・・・」
「な、なんですか?」
「いくら優しくしたっておじょ・・こほん・・・楓ちゃんの高感度は上がりませんよ」
「楓ちゃんってなんですか!・・・一応親戚! なんだから・・当然ですよ」
親戚を強調するな!!
妙に優しいのも逆に気持ちが悪いんだ、いつもツンツン・・・っというよりわがままな奴が妙に優しいのはちょっぴり・・変
「分かりました、じゃあ自力で授業受けてください」
「すんませんでした! 見せてくださいませ!!」
俺はとりあえずお譲様の席とくっ付けた・・・ってのを男子生徒とかに見られると結構恥ずかしいのだが、そんなこと言ってられん、俺の知識は中学3年生レベルだ・・高校の授業は全く受けてないから全然できない!
やっぱり周りの奴らからの目線が痛いんだが・・・特に男からの・・普通転校生ってHRが終わったら転校生の周りに集まって趣味だったり部活についてだったり聞いてくるような気がするんだが・・
これもまた漫画道理にはいかないのか、いやそうではない、これは俺がこのお子様に近付いているからだ
そうか・・原因はこいつか、こいつが人気だからこそ俺がお子様に近付くとよい気分にならないのか
ははぁ~ん、そうかそういうことか【某主人公が転校してきた可愛い子と何故かすぐになることが気に食わない男子生徒と同じ原理】か、こういう場合某主人公はこれがいやで『勘違いされるからあんまり仲良くするのはやめようぜ!』とかいう主人公がいるのだが俺は違う!こいつを利用して奴ら愚民どもの羨ましがる顔を眺めてやろうじゃないか! ハハハハハハ・・・・・・自分で言っておいて嫌になるな
「・・・俺って楓ちゃんって呼んだほうがいいか?それとも呼び捨て」
「呼び捨てじゃ、いろいろと誤解を招く気がします・・」
「じゃあご主人様で」
「それはもっと誤解されます!・・・と・・大声だしちゃ」
「何大声出してるんだよ、このお茶目さん」
「この人、私を追い詰める気だ~!」
「じゃあ、さん付けにするから、あと敬語は使わないってことで」
「・・・・それでいいです」
ま、そんなところで授業が始まる・・・授業は久しぶりだな俺の学校は授業なんてまともにやってなかったからまともにやるのは久しぶりだ
よーし気合い入れていっちょやるか!!
4時間目終了
「どうしたんですか・・時雨さん・・受験で落ちたような顔して」
「・・いや、さっきまで気合い入れてた俺が恥ずかしくなって・・」
「どういう意味かはわかりませんけど、もう昼休みですし昼食にでもしましょうか、はいこれ傘守さんが作ってくれたお弁当」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
複雑になる俺の心、普通は女の子が作ってくれたほうがいいに決まってる!
傘守さんには失礼だけど俺は・・まだ皐月さんに作っていただけたほうが・・・・あ・・・・・
あのお方の料理は一回口にしたはずだ! もう皐月さんに作ってもらったものは絶対に口にしないと決めたんだ!・・ここは傘守さん特製の弁当をいただくか
俺はお嬢様からお弁当を受け取る
「・・・・・・」
「どうしたんですか時雨さん・・」
「いや・・やっぱりあれだよね、俺一人で食おうかな・・なんて」
「?・・どうしてです?」
「・・・・いわずもがな・・目線が」
「転校生なら注目されるのは当然です!さっさと食べてください!」
「・・りょーかい」
俺は目線を気にしながら弁当を食う・・どうしたものか目線どころか殺気まで
コソコソと声まで聞こえる・・このガキってこんなに人気なのか? ・・ただのマスコットとしては使えそうだけどな
それはそうとコソコソ何話していやがるこのヤロー共!俺はバレないように耳を傾けて会話を拾おうとすると
「(あいつ・・なんで楓ちゃんと昼飯食ってんだよ・・)」
「(鴻さんの手作りお弁当を食べるとはなんてうらやましーことを)」
これは決してこのガキの手作りではありません!!
男の子が作った弁当です!!
「(もしかして彼氏なのか?)」 「(そんなわけねーだろ転校初日だぜ)」
「(親戚って噂だけど・・)」 「(何であんな地味な野郎と)」
誰が地味な野郎だ!ぶっ殺すぞ!!!
とはいえず俺はものすごい勢いで弁当をたいらげた
ついでに彼氏ではない!俺は決してロリコンではないということだ!お前らとは格が違うのだよ!
「・・・はぁ・・」
「転校初日なのになんてテンションですか・・もっと元気にしましょう!」
「元気になれたら苦労はしませーん」
これは俺かなりストレスがたまるんじゃないだろーか?
いつもならこいつらタコ殴りにしてやるところなのだがここはちゃんとした高校だから
無理だ・・ヘタすると即刻退学という可能性もはかりえない
すると教室から制服が他の奴らと違う白い学ランをきた野郎が俺の前に来る
「君が・・転校生の双馬時雨なのだな・・」
「あ?何だよテメ―?」
「私はこの北池高校の生徒会執行部、北王子三茅と申すものだ」
「ゲ・・三茅君」
なんだこの赤髪のメガネ野郎は
お嬢の様子も変・・っていうより拒否している
完全に嫌われてるんだなこのメガネ
「えっと、北王子だっけ?・・何の用なんだよ?」
「少し付き合ってもらえるかな?」
「俺は異性との相手とじゃないとお付き合いはできませんので!」
「違う! そういう意味ではなくて!君に用があるのだよ双馬時雨!」
「は?」
俺はこうして北王子とかいう奴に屋上に連れて行かれた
終った・・・次回お楽しみに